躍動の新拠点 待望の完成 第一中の校舎・屋内運動場 市立学校初の4階建て 生徒の本格利用は4月から(別写真あり)

▲ 完成の喜びを分かち合った引き渡し式

 大船渡市が整備を進めてきた市立第一中学校(佐々木哲校長、生徒403人)の改築工事完成引き渡し式は8日、立根町の現地で行われた。校舎は市内小中学校では初の4階建てで、教育環境のみならず、武道場や屋内運動場は防災拠点の機能も充実させた。真新しい空間に入った生徒たちは完成を喜ぶとともに、4月からの本格利用に期待を膨らませた。(佐藤 壮)

 

大階段をはじめ新校舎を見学する生徒たち

 式典には全校生徒や教職員のほか、公民館関係者らで組織する建設委員会の関係者が出席。施工者の鴻池組・コンノ建設特定共同企業体を代表し、㈱鴻池組の加藤康常務執行役員が渕上清市長に鍵のレプリカを手渡し、市長から小松伸也教育長、佐々木校長へと引き継がれた。
 渕上市長は「明るく快適な空間が広がり、勉学には最適な環境。勉学や部活動に思う存分に励んでいただき、文武ともにさらなる躍進を遂げるよう期待している」とあいさつ。
 生徒を代表し、生徒会長の下村桜子さん(2年)が「日に日に大きくなっていく校舎に、新たな学校生活を想像して、心を躍らせてきた。校舎を大切に使い、素敵な思い出をたくさんつくりたい。本当にありがとうございました」と述べた。屋内運動場には、生徒たちが制作した感謝を示す垂れ幕も掲示された。
 式後は生徒らが校舎を見学。1階昇降口付近の大階段から2~4階に配置されている普通教室を回ったほか、理科室や音楽室も巡り「すごくきれい」「白くて立派」などと声を弾ませた。
 引き続き、屋内運動場では、同校卒業生でもある渕上市長が生徒たちに講話。間もなく東日本大震災から12年を迎える中「幼い時から復旧・復興を目の当たりにしてきた。震災からの日々を伝えられる人になってほしい。失敗を恐れず挑戦を」とエールを送った。
 現校舎は、昭和37年の建設から約60年が経過。一昨年9月からの改築工事では、既存校舎から校庭を挟んだ北側に、市内の小中学校では初となる鉄筋コンクリート造・鉄骨造4階建て校舎と屋内運動場を整備した。総事業費は約27億円。
 1階には技術室や調理室、特別支援室、職員室、校長室、保健室、会議室、屋内運動場のアリーナ・ステージなどが入り、2階には普通教室や理科室、武道場などを配置。3階に普通教室や音楽室、美術室、4階は主に普通教室や多目的室を整備した。
 大階段を中心に教室や多目的室などを配置するとともに、地域玄関や地域室も確保。屋内運動場をはじめ学校開放への対応に加え、非常時に3日分の電気や水供給を想定した設備も整えるなど、防災拠点としての機能確保にも力を入れた。
 12日(日)の卒業式は現在の屋内運動場を会場とし、今月25日(土)と26(日)の両日に引っ越し作業を予定。4月7日(金)の始業式から、本格的に利用される。来年度は、旧校舎の解体とグラウンド整備事業が予定されている。