希望の青 地域に彩り 防潮堤タイルアートイベント 子どもたちと協働設置

▲ タイルを貼った板に絵を描く子どもたち

セレモニーでは、けせん第九を歌う会による合唱披露も

 大船渡市大船渡町の夢海公園付近に広がる防潮堤で11日、市民協働イベントの「3・11防潮堤にタイルをはろう」が行われた。さわやかな青色を基調としたタイルアートが施された下で、子どもたちが手を動かして彩りを加え、和やかな光景が広がった。タイルアート展示は5月26日(金)まで行われる。
 この取り組みは、盛町の一般社団法人三陸まちづくりART(前川一枝代表理事)が三陸国際芸術推進委員会(委員長・石川義晃三陸鉄道㈱社長)と連携して展開。三陸ブルーラインプロジェクトとして「ウオールアートで、伝える。つなぐ。祈る」をスローガンに掲げ、防潮堤にタイルアートを飾る。
 協働イベントでは、早朝から子どもたちが防潮堤に集まり、大船渡湾の海をかたどった板にタイルを貼り付けて絵を描いた。さらに、5㌢四方のタイルも防潮堤に付けていった。
 参加した末崎小3年の今井幸輝君は「タイルが増えればもっときれいになると思う。ずっとあってほしい」と話していた。
 セレモニーでは石川委員長が「12年前の記憶や教訓が継承され、多くの人々が集い、新たな防災文化につながれば」とあいさつ。けせん第九を歌う会による鎮魂の思いを寄せた合唱では、タイルアートを背に『花は咲く』『坂道の歌』『故郷』を響かせた。
 プロジェクトの一環で、タイルアート設置は8日から進み、すでに1万枚以上のタイルを用いて、震災からの祈りなどを込めた「青い太陽」や、200㍍に及ぶタイルの直線がコンクリートの壁を彩る。今後も少しずつ作品を増やし、最終的にはキャッセン街区の防潮堤635㍍を飾り、災害に強いまちづくりや新たな文化創出などへの思いを発信する。
 今月20日(月)まで資材費や経費などの財源に充てるクラウドファンディングを実施。今後も公募型のワークショップを企画する。取り組みについての問い合わせは、事業事務局(みんなのしるし合同会社内、℡47・5123)。