未来に向かって巣立つ 気仙の17小学校で卒業式 中学での活躍期待 コロナ禍の制限 緩和の動きも(別写真あり)

▲ 菊池校長㊨から卒業証書を受け取る日頃市小の卒業生

 気仙3市町の17小学校で17日、卒業式が行われた。各校で卒業生が証書を受け取り、6年間の思い出が詰まった学びやを巣立った。新型コロナウイルス禍に伴う制限を緩めた学校もあった中、保護者や学校関係者らが卒業生の前途を祝し、中学校での活躍に期待をかけた。(菅野弘大、阿部仁志)

 

 大船渡市立日頃市小学校(菊池ゆかり校長、児童62人)の卒業式では、真新しい制服に身を包んだ卒業生13人が凜とした表情で入場。菊池校長から卒業証書を受け取ると、壇上から小学校生活で頑張ったことや思い出を発表した。
 菊池校長は「最高学年として困難にくじけることなく、学校の歴史と伝統を継承、発展させる素晴らしい活躍をしてくれた。日頃市小の卒業生として、ここまで成長した自分に自信を持ち、夢に向かって努力し続けて」と式辞。
 「門出のことば」としてステージに並んだ卒業生たちは、「さまざな思いが私たちを成長させてくれた」「在校生の皆さんが支えてくれた」などと呼びかけ。出席した4、5年生24人がそれに答えるように「学校を引っ張ってくれてありがとう」「私たちが皆さんのあとを引き継ぐ」と先輩たちに感謝と決意を伝えた。
 卒業生たちは「かけがえのない思い出と13人の絆は消えることはない」「ありがとう、日頃市小学校。さようなら」と声をそろえ、『変わらないもの』を合唱。学びやで過ごした6年間に思いをはせながら、新たに始まる中学校生活への期待に胸を膨らませた様子で会場を後にした。
 卒業生の新沼愛琉さんは「けんかすることもあったけど、この13人で一緒に生活できて楽しかった。中学校では勉強と野球の両立を目指し、日頃市小で学んだことを生かして頑張りたい」と誓っていた。

中学校の制服を着てりりしい姿を見せた竹駒小の卒業生

 一方、陸前高田市立竹駒小学校(大竹博行校長、児童39人)では、卒業生8人が中学校の制服を着て式に臨んだ。別れの言葉や歌を歌う場面以外はマスクを外し、りりしい素顔を見せた。
 一人一人に卒業証書を手渡した大竹校長は、式辞で「みんなを思いやり、最後まで助け合う姿を見せてもらった。その姿は後輩たちに受け継がれる。きょうを懸命に生きた先に、成長した自分がいる」と語り、中学校での活躍に期待。市教委の安田留美教育委員が告辞を述べ、大坂純一同校PTA会長も節目の日を祝った。
 卒業祝い品授与のあとは、卒業生がステージに立って「巣立ちのことば」を発表。6年間の学校生活を振り返り、いつもそばにいてくれた地域の人や先生、保護者への感謝を語って「未来に向かって旅立ちます」と合唱を披露した。
 この中では、3年ぶりに出席対象となった1~3年生を含む全在校生が卒業生へメッセージ。一人一人、名前を呼んで楽しかった日々を振り返り、「中学校という新しい世界へはばたいて」と見送った。
 式後は保護者からの謝辞があり、12年前の東日本大震災直後、まだ1歳にも満たなかったわが子たちが無事に卒業の日を迎えたことへの万感の思いを語っていた。
 気仙の小学校の卒業式は17日がピーク。大船渡市の綾里は16日に実施済みで、同市の盛と陸前高田市の気仙、横田の3校は18日に行われる。