推進を求める声多く 中学校の統合巡り 末崎で保護者意見交換会 市教委

▲ 今後の中学校統合のあり方を巡り意見交換

 大船渡市教育委員会による大船渡中学校と末崎中学校の統合に係る保護者意見交換会は20日夜、末崎町のふるさとセンターで開かれた。中学生以下の子どもを持つ住民が出席し、統合推進を求める声が大半を占めたほか、通学のあり方などについて、より具体的な検討・提示を望む発言が寄せられた。
 統合に関する説明会は1月に大船渡地区、2月には末崎地区で開催し、各地区の地域住民らが参加。さらに、実際に子育てしている保護者から、より率直な意見を聞こうと企画した。
 この日は末崎地区のこども園、小中学校の保護者を主な対象とし、8人が出席。小松伸也教育長は「PTAの方が、自分の子どもたちのためにどうあるべきかを考えていただき、ご意見を得られれば」と語った。
 市教委側は、これまで合意に至らなかった統合協議や、PTA役員との意見交換会、保護者アンケートの実施などに関する各経緯を説明。今後の生徒数の見通しに加え、アンケートでは「統合した方が良い」と答えた割合が多かった結果などを解説した。
 さらに、小規模校のメリット、デメリットにも言及。赤崎中と綾里中の統合で誕生した東朋中の生徒・保護者からの聞き取り結果として「人数が増え、グループ活動が楽しくなった」「困っていることはない」などの声を紹介した。
 意見交換では、各出席者から統合を望む声が占め、反対意見はなかった。「どうすれば統合できるのか」「子どもの夢が広がらない。部活を理由に転校しているケースもある」「今、進めないと、もっと難しくなるのでは」などの声が出た。
 一方で「思いは持っているが、言いにくい雰囲気がある」と、保護者の声を反映しやすい協議を求める出席者も。不安面としては、市教委がまとめた計画案では統合後の校舎は大船渡中を活用するとしている中、スクールバスや道路環境を挙げる声が出たほか、地域移行が進む部活動のあり方も話題となった。
 小松教育長は「推進した方が良いとの声がたくさん出たのは心強い。こちらも提案しながら、話し合いを進めたい。子どもたちの夢や期待を裏切らないように」と述べた。大船渡地区での説明会は、27日(月)午後7時から、おおふなぽーとで予定している。