あす最後のサイレン吹鳴 加茂神社・津波警報塔 正午の時報終了後10秒間
令和5年3月30日付 7面

大船渡市大船渡町の加茂神社内にある津波警報塔で31日(金)正午の時報終了後に、10秒程度サイレンを吹鳴する。市は年度末で吹鳴業務を廃止することから、最後に響かせることで、これまでの地震・津波災害の記憶の風化を防ぎ、さらなる防災意識の向上を図ることにしている。
津波警報塔は、昭和35年5月24日のチリ地震津波の翌年(昭和36年)に整備され、津波注意報や津波警報等が発表された際、住民に早期の避難を促すためにサイレンを吹鳴してきた。近年は、東日本大震災の発災日に合わせ、動作確認や市民の防災意識高揚を目的に、毎月11日正午にも行っていた。
吹鳴の管理を担ってきたのは、近隣にある第一浄水場の関係者。その一人である山本布子さん(63)は、平成10年から警報塔のそばに立つ公舎に暮らし、主に夜間に注意報・警報が発令された際、モーター式のサイレンを鳴らすためのボタンを押した。
定期的な吹鳴の多くは平日の日中で、昼間に浄水場の管理業務を任せられている人々が担った。非常時の吹鳴業務は、市防災行政無線による緊急放送終了後に行われ、注意報や警報の種類によって吹鳴時間や間隔を変え、早期避難を促した。
近年、津波警報塔にも併設している防災行政無線子局やJアラートをはじめ、代替手段の整備が進んだ。市は4月以降、サイレン吹鳴事業を廃止するため、31日が最後となる。第一浄水場敷地内で関係者がボタン操作を行い、10秒程度鳴らす。
警報塔は今後も、防災行政無線機能は残る。少しでも早く高台に避難することを伝えるシンボルであり続ける。