少子化さらに〝加速〟 4年度以降 0歳児150人割れ 子ども・子育て計画中間見直しで推計

 大船渡市は、令和2~6年度を期間とする第2期市子ども・子育て支援事業計画の中間見直しをまとめた。計画当初からの乖離がある実績値を見直し、法律に基づいて子どもの貧困対策の考え方を反映。4年度以降は、就学前児童人口うち0歳人口は2年度の計画策定時よりも3割程度減って150人を割るなど、コロナ禍を経て少子化の急速な進行も色濃く浮かび上がる。市は当面、関連事業・サービスは現状を維持し、きめ細かい子育て支援策を展開する。(佐藤 壮)

 

 第2期計画は、2年3月に策定。出会いから結婚、出産、子育てに至る切れ目のない取り組みを展開する中で、合計特殊出生率2・10を目指す総合的な施策の指針としている。
 今回の見直しでは、新たに「子どもの貧困対策の推進」の章を追加。対策自体は当初計画にも登載しているが、章を追加することで、貧困対策に係る各種事業の実績や、3年度に実施した子どもの生活実態調査の結果から得られた家庭のニーズなどを反映した。
 さらに、教育・保育及び地域子ども・子育て支援事業の量の見込みと確保方策では、令和4年3月までの実績値に置き換えた。令和5年度以降の推計値も新たに算出した。
 計画策定時、令和4年度の推計値は2653人だったが、見直しに基づく実績値は2450人。特に0歳は207人の推計だったが、実績値は32%減の141人となった。
 見直しでは5年度の0歳は144人、6年度は136人と推計。計画策定段階では、200人前後とみていた。これにより同年度における11歳以下の推計値も減少し、2518人から11%減の2239人に修正した。
 厚生労働省が2月に公表した令和4年人口動態統計では、外国人や海外で生まれた日本人の子どもを含む出生数が、統計のある明治32(1899)年以降では初めて80万人を割り込むなど、全国的にも少子化に拍車がかかる。新型コロナウイルスの影響で結婚や出産を控えた動きが、要因として挙げられる。
 計画の見直しでは、幼稚園や保育所利用者数や学童クラブのニーズも減少を見込む。一方で、令和5年度以降も現行のサービスを維持し、きめ細かい子育て支援に当たる。ファミリー・サポート・センター事業や一時預かり事業なども現行通りとする。
 市はさらに、新たな子育て支援策にも力を入れる。5年度予算には、第2子以降の3歳児未満にかかる保育料無償化に向けた財源を計上。こども園、保育所、認可外保育所に通う計214人が対象見込みで、4月から実施する。これまで3歳児未満は、第3子以降が無償化の対象だった。
 県が新たに開始する「いわて子育て応援保育料無償化事業」を活用。補助率は2分の1で、さらに市が一般財源を充て、保護者負担額をゼロとする。
 0歳人口の実績値や推計値の推移は別掲。