ピーカンナッツジャムどうぞ 県立大の学生らが開発 サロンドロワイヤルで販売
令和5年4月2日付 7面

陸前高田市が産業化を進める北米原産の木の実「ピーカンナッツ」をPRし、地域活性化に貢献しようと、滝沢市の県立大学の学生たちがジャムを開発した。約1年を費やして商品化にこぎ着けた学生たちの努力の結晶。共同開発者で、高田町にある老舗チョコレートメーカー㈱サロンドロワイヤル(本社・大阪市、前内眞智子代表取締役社長)のタカタ本店で販売している。(高橋 信)
ジャムはピーカンナッツをベースに、それぞれ米崎りんご、北限のゆず、チョコレートを加えた3種類。米崎りんごは食品ロス低減のため、規格外の実を使った。ジャムが入る瓶のパッケージデザインも学生自ら考案し、陸前高田の景色をアピールしようと、海を望める畑の絵をデザインに採用した。
開発は、県立大と盛岡市のJR盛岡駅ビル「フェザン」が実施している地域活性化への協働プロジェクトの一環。
令和4年度は、陸前高田市のピーカンナッツにスポットを当て、同作物の加工・販売を国内最大規模で手掛けるサロンドロワイヤルと一緒に取り組みを進めてきた。
学生約110人が参画。数人ずつチームを作り、ナッツを使った新商品のアイデアを出し合った。審査などを経てジャムの商品化が決まり、同社のパティシエが試作を重ねて完成させた。3月下旬にはフェザンで販売イベントが開かれた。
ピーカンナッツはクルミ科の果樹で、高い抗酸化作用があり、アルツハイマー病予防に有効とされる。
陸前高田市は東日本大震災からの農業再生、地方創生につなげようと、東京大学、サロンドロワイヤルと連携し、ピーカンナッツによる産業振興に取り組んでおり、産地化に向けて苗木の試験植樹・栽培も行っている。
ジャムの販売価格は、税込み1080円。内容量は米崎りんごと北限のゆずの2種類がともに195㌘、チョコレートスプレッドが185㌘。北限のゆずは完売した。
前内代表取締役社長は「学生たちには大変素晴らしいアイデアを出してもらい、一番うれしかったのは陸前高田への熱い思い。熱意を具現化させたジャムをぜひ地域の人たちに味わってもらい、5年、10年と続く商品として親しまれてほしい」と願う。