雇用と行政手続きの新拠点 サン・リアにBPOセンター 20人を雇用 (別写真あり)
令和5年4月5日付 7面

BPOと呼ばれる民間企業の経理や自治体の電話応対業務などの受託事業を展開する㈱エスプールグローカル(本社・東京都、佐久間雄介社長)は4日、大船渡市盛町のサン・リア内に新たな事業所として「BPOセンター大船渡」を開設した。新規雇用20人体制で業務に当たるほか、オンライン通話などでマイナポイントの設定支援を行う住民向けのカウンターも設置。雇用と行政サービス充実の両立を図る。(佐藤 壮)
マイナポイント支援窓口も

オンライン通話を利用しながら行政サービスを受けられるカウンターも
同センターはサン・リア2階に開設。セレモニーには、佐久間社長や菊池哲副知事、渕上清市長、サン・リアを運営する協同組合の山口徹副理事長のほか、採用されたスタッフら約40人が出席した。
佐久間社長は現時点で18人を採用し、近く20人体制とする見込みを示しながら「住民の方に広く知っていただき、地域にとってなくてはならないスポットとしたい」とあいさつ。菊池副知事は、達増拓也知事のメッセージを代読した。
渕上市長も「雇用創出で、地域経済に大きく貢献していただいた。連携を取りながら、地域を発展させたい」と、今後の業務充実に期待を寄せた。山口副理事長は「物販だけでは厳しく、コミュニティーづくりも重要。多くの方々が来店し、サン・リアの活性化にもつながれば」と述べた。
関係者によるテープカットに続き、スタッフも交えての写真撮影も行われた。カウンター上では、オンライン通話によるマイナポイント設定支援の実演も。市との実証試験として、5日から運営する。
内部のオフィスでは、Uターン者を含めて気仙在住者を中心とするスタッフが、受託自治体に寄せられるマイナポイントの支援や物価高騰対策支援の問い合わせに対応。1カ月程度研修を積み、5月からグループに分かれて業務に入り、10自治体超を受け持つ。
地域創生支援サービスを支援する同社は、㈱エスプール(本社・東京都、浦上壮平社長)の100%子会社。エスプールではほかに、人材派遣や障害者雇用支援、採用支援などのグループ会社を持つ。
BPOセンターは青森県弘前市やむつ市、秋田県大仙市などに構える。岩手県の進出を目指して県などと相談し、各種条件が合った大船渡での準備を進め、昨年10月に企業立地協定を締結。女性の積極的な採用や障害者雇用も視野に入れる中、職場環境を整えやすいサン・リアに構えた。
市商工港湾部企業立地港湾課によると、市と民間企業による企業立地協定締結は、平成29年に末崎町の被災跡地に施設を構え、トマト栽培を展開する㈱いわて銀河農園と結んで以来となる。