バス窓口 8年超の営業終了 岩手県交通㈱が サン・リアで運営 予約対応などの減少で
令和5年4月18日付 1面

岩手県交通㈱が大船渡市盛町のサン・リアショッピングセンター1階に開設していた窓口営業業務が、15日で終了した。8年超にわたり、定期券やバスカードの販売だけでなく、サン・リア来訪者やバス利用者も気軽に立ち寄れる場所だっただけに、運営にあたったスタッフらにねぎらいの声が寄せられた。
窓口では同日、午後4時まで通常通り営業。この間、住民やサン・リア内の店舗関係者が訪れ、約5年間スタッフとして従事した今野博子さん(66)に菓子などを差し入れる光景も見られた。
営業終了後、今野さんは「業務を終えて安心したが、いつも立ち寄り、バスカードを購入していた高齢者の方々が少し心配。これからは、お客さんの1人としてサン・リアに来たい」と話した。
舘洞良明大船渡営業所長は「対面ならではの話しやすさがあり、コミュニティーの場にもなっていた。バスカード販売は車内で対応している。利用者サービスはできるだけ維持していきたい」と語った。
同営業所によると、サン・リア内には平成26年12月に開設。東日本大震災で大船渡町内の営業所が被災して立根町に移り、さらに仙台線バスが利用者の増加で予約制になったことから、平日や土曜日の日中を中心に、乗車券を購入する利用者らが多く訪れた。
高校生らの定期券や、バスカードの購入にも対応。畳2枚分の広さでコンパクトながら、乗車待ちの住民や観光客、一般の買い物客やテナント関係者にも親しまれた。また、サン・リア整備前の現地は昭和期にバスセンターがあったことから、バスファンの間では、なごりを伝える一つとしても知られた。
今野さんはこの間、コロナ禍や少子化など、時代の変遷も静かに見つめた。昨年から、仙台線は予約なしで乗車でき、予約制のけせんライナーは新型コロナウイルスの影響で運行便数が減少。通勤・通学需要も減り、直接的な利用が少なく、閉鎖を決めた。
今後の定期券やバスカード販売の問い合わせは、立根町字関谷の大船渡営業所(℡26・3730)へ。