青空とともにGWスタート 五葉山で「山開き」 気温上昇 足取り軽く 芽吹き楽しみながら山頂へ(別写真あり)
令和5年4月30日付 1面

大船渡、住田、釜石の3市町にまたがる本県沿岸南部の最高峰、県立自然公園・五葉山(1351㍍)で29日、ゴールデンウイーク(GW)開幕を飾る恒例の「山開き」祈願祭行事が行われた。すっきりとした青空に恵まれた中、安全確保や無事故を誓った登山者は、この時期ならではの眺望や芽吹きを楽しみながら、軽快な足取りで山頂を目指した。(佐藤 壮)
安全祈願祭も挙行
山開きは毎年、大型連休が始まる『昭和の日』に合わせて実施。祈願祭は、3市町で構成する五葉山自然保護協議会(会長・渕上清大船渡市長)が主催し、大船渡市と釜石市境の赤坂峠登山口(721㍍)で行われた。
自然保護協会や行政などの関係者をはじめ、愛好者ら約150人が参加。山の安全や登山を祈願する祝詞のあと、登山道の清め払いなどを行い、今シーズンの無事故を誓った。
渕上市長は「コロナ禍でも、昨年度は約8000人の登山者が訪れた。今後も環境保全や、自然の素晴らしさを広げる取り組みを進める。より多くの方々に、自然の魅力を味わってほしい」と述べた。
終了後は間隔を確保しながら列を作り、思い思いのペースで山歩きを満喫。登山仲間で一緒に訪れた陸前高田市高田町の菅野勝也さん(83)と米崎町の浅川絹子さん(80)は、「先週の氷上山に続く登山で、山開きの時期はすがすがしい気持ちになる。今年は天気がいいので、ゆっくりと歩きたい。ツツジやシャクナゲ、紅葉の時期にも来ることができれば」と話し、笑顔を見せた。
五葉山の現状について、同山自然保護管理員の伊藤直人さん(72)=釜石市=は「今年はこれまでにないくらい季節が早く進み、驚いている。登山道はもちろん、残雪がない。雪解けが早く、そもそも雪が少なかった」と語る。
この日も朝方から気温が上昇し、例年の服装では汗ばむ陽気に。カラフルな登山ウエアの列からは「暑いね」といった声が聞かれたほか、袖をまくり、額に汗を浮かべながら歩みを進める姿も目立った。
五葉山は、山頂まで比較的緩やかな道が続き、家族連れや高齢者の人気も高い。連休期間中のほか、ツツジやシャクナゲが咲く5~7月にかけても、にぎわいが予想される。
今年のGWは、5月に祝日を含む5連休がある。3日(水・祝)~5日(金・祝)を中心に、気仙でも式年大祭や帰省客らが多く集う定番イベントなど、屋外を中心に多彩な催しが予定されている。