光の大輪 夜空照らす 陸前高田で三陸花火大会(動画あり)
令和5年5月2日付 1面

三陸花火大会(実行委主催)は4月30日、陸前高田市の高田松原運動公園で開かれ、1万5000発を超える華やかな光の大輪が夜空を照らした。昨秋の競技大会では同運動公園一帯で大渋滞ができる交通トラブルが発生したが、今回は大きな混乱はなく、県内外からの観客がイベントを満喫した。(7面に関連記事、高橋 信)
新型コロナウイルス感染拡大後の令和2年秋に始まった大会。感染症対策の一環で見送ってきた花火打ち上げ前のカウントダウンの声出しを通算5回目の今大会で初解禁し、歓声が響く中、豪快な花火が次々と打ち上げられた。
矢巾町の専門学校生・本多優祐さん(19)は「とても感動した。震災で被災した陸前高田市でこれほど大規模な花火イベントが開かれ、同じ岩手県民としてうれしい。復興をPRする大会として続いてほしい」と夜空を彩る花火を見上げた。
打ち上げには、山梨県の花火業者㈱マルゴー(齊木智社長)が協力。昨年8月の秋田県での全国花火競技大会で内閣総理大臣賞を受賞するなど、国内屈指の技術力を誇る。
齊木社長(54)は「まずは安全に終えられてホッとしている。皆さんから『感動した』と言ってもらえて逆に元気をもらった。今後も大会の力になりたい」と笑顔だった。
実行委(浅間勝洋委員長)は20~40代の若者を中心とした市民有志らでつくり、「三陸から元気と笑顔を届けよう」と、令和2年10月にプレ大会を初開催。
昨秋の三陸花火競技大会には過去最多の約1万2000人が来場したが、観覧者が有料駐車場に入れず、花火打ち上げ時間中も渋滞が解けないトラブルが発生し、運営面の課題を残していた。
今回は駐車場の空車状況を30分ごとに更新し、スタッフ間で共有したうえ、誘導を指示するなど渋滞対策を徹底。迷子や落とし物などの情報も直ちに把握、対応できるシステムを導入し、大きなトラブルはなかった。
浅間委員長(42)は「前回は多くの方々にご迷惑をおかけしたが、今回は大きなトラブルなく開催できた。さらに良い大会を目指し、たくさんの人に元気を届けられるようみんなで力を合わせていく」と力を込めた。