道の駅高田松原 来場者200万人 開業3年8カ月で大台突破(別写真あり)

▲ 200万人目の来場者となった池田さん親子(後列左から3、4人目)

 陸前高田市気仙町の道の駅高田松原の来場者数は2日、累計で200万人に達した。東日本大震災の津波で被災し、令和元年9月に高田松原津波復興祈念公園内に再建・開業。新型コロナウイルス禍で想定よりも客足が伸び悩んだが、開業から約3年8カ月で大台を突破した。6月には同公園で全国植樹祭が開催されるなど注目の行事が控えており、同道の駅のさらなる集客増、地域活性化などに期待がかかる。(高橋 信)

 

 200万人目の来場者は、東京都府中市の会社員・池田裕二さん(47)と、池田さんの次女で、大学生の心優さん(18)の親子。
 佐々木拓市長が2人を出迎え、花束を贈呈。同道の駅を運営する㈱高田松原の熊谷正文社長が缶詰や海藻、米など記念品セットの目録のパネルを手渡した。
 陸前高田市の認定NPO法人・桜ライン311によるサクラの植樹活動に参加するなど、同市をたびたび訪れるという池田さん。道の駅は毎回立ち寄るといい、「陸前高田に向かう際はまずこの道の駅を目指す。きょうも他県からの大勢の人でにぎわっていて良い。これからも利用させてもらう」と笑顔で話した。
 同道の駅を初めて訪ねた心優さんは「(200万人目となり)びっくりした」と感激。「陸前高田市は自分の想像よりも速いスピードで復興が進んでいると感じた」と関心を寄せた。
 同市の特産品、土産品がそろい、三陸沿岸のゲートウェイ(玄関口)として多くの観光客が集う同道の駅。これまでの来場者数は年間40~60万人とコロナ禍の影響で計画を下回ったが、今後は同70~80万人を目標にPRしていく。
 熊谷社長は「正直『やっとだな』という思い。来場者数が思うように伸びなかったが、それでも一昨年より昨年、昨年より今年と徐々に人数が増え、この日を迎えられた。認知度向上、リピーターの確保、来場者の中心市街地への誘導などに努める」と見据える。
 佐々木市長は「国営の追悼施設や津波伝承館などと一体となった祈念公園に全国から来ていただき、200万人を突破して改めて皆さんに感謝している。道の駅はゲートウェイの役割も担う重要な拠点。今年は全国植樹祭も控えており、どんどん魅力を発信していく」と意欲を語った。
 高田松原津波復興祈念公園は同道の駅や県営の震災津波伝承館、国営追悼・祈念施設などが入り、面積は130㌶。令和元年9月に一部開園、3年12月に全面開園した。震災の教訓を後世に伝える津波伝承館は同道の駅と同じ日に開館し、来館者数は今年4月に延べ70万人に達した。