今出山 広がる朱色  山頂でツツジの開花進む 沿岸部の絶景と共演(別写真あり)

▲ 山肌を鮮やかに染める朱色のツツジ

 12日の気仙地方は、朝方からすっきりとした青空が広がった。大船渡市猪川町に位置する今出山(標高756㍍)の山頂付近では、ツツジの開花が進み、大船渡湾内をはじめ沿岸部の絶景との共演が見られるようになり、ハイカーらの目を楽しませている。
 今出山のツツジは毎年、5月中旬~6月上旬に見ごろを迎える。山頂部では大船渡湾や市街地が眼下に広がる中で彩りが輝くほか、大船渡町や盛町側からは、燃えるように山頂が赤く染まる光景を確認できる。
 ふるさと林道今出甫嶺線から頂上まで徒歩で目指すと、山道では満開を迎えたツツジが所々で歓迎。直射日光を新緑がさえぎり、すがすがしい空気が広がる。上り勾配がしばらく続くが、時折足を止め、大きく息を吸い込みながら鳥のさえずりに耳を傾けると、疲れを忘れる。
 山頂近くの斜面は朱色が増え始めているが、開き切っていない状態も多いだけに、今後の満開に期待が高まる。それでも、すでに見ごろを迎えた場所の景色は圧巻。花びらがかわいらしく風に揺れ、新緑や海岸線を美しく引き立てる。
 晴れた日は唐桑半島付近まで眺めることができる山頂部。沿岸部の景色が一望でき、見下ろしたハイカーらは、穏やかな湾内や市街地の景色をじっくりと目に焼き付けた。
 この日の大船渡の最低気温は、3・7度で平年よりも5・4度低く、4月上旬並み。最高気温は14・6度と、平年よりも3・8度低かった。
 盛岡地方気象台の予報では、13日も晴れるが昼前から曇りに。14日は「曇り一時雨」で、来週前半は曇り中心の天気となりそうだ。
 市農林課では、今出甫嶺線から頂上まで続く約2㌔の砂利道について、狭く悪路が続くため、徒歩での登山を呼びかけている。