7月にポイント還元事業 キャッシュレス決済5事業者に対応 普及へ説明会開催にも注力
令和5年5月13日付 1面
大船渡市は、コロナ禍や物価高騰の影響を受ける市内事業者の支援策の一環で、7月にキャッシュレス決済ポイント還元事業を行う。還元額は約7800万円を見込み、ポイント還元率は決済金額の20%で、1決済当たりの付与上限は1000円分。5事業者のサービスに対応する。市は事業を通じてキャッシュレス決済の普及を図る方針で、今月25日(木)と26日(金)には事業者説明会を、事業開始までには住民向け説明会を開く。 (佐藤 壮)
市は、新型コロナウイルスの影響長期化や物価高騰下で苦境に立つ市内事業者向けの支援策として準備。令和4年度の一般会計補正予算に関連財源を計上し、調整を重ねてきた。
実施期間は7月1日(土)~31日(月)の1カ月間。還元額は約7800万円分を見込み、上限に達する見込みとなった場合は、早期の終了もあるという。
対象のキャッシュレス決済サービスは▽auPAY(KDDI㈱) ▽PayPay(PayPay㈱)▽d払い(㈱NTTドコモ) ▽楽天ペイ(楽天ペイメント㈱)▽楽天Edy(楽天Edy㈱)──の5種類。幅広い種類に対応することで、住民や事業者の利便性確保を図る。
ポイント還元率は20%。1000円分のサービス・購入時に利用した場合、200円分のポイントが付与される。1決済当たりの付与上限は1000円分。キャッシュレス決済事業者の1サービスごとに、3000円分まで付与され、最大1人1万5000円分が還元される。
対象店舗は市内に店舗がある飲食店、宿泊業、小売店、生活関連サービス業、運輸業(ただし貨物を除く)、学習・教育関連サービス業、持ち帰り・配達飲食サービス業で、対象キャッシュレス決済事業者の決済手段を導入していることが条件。ECサイトは除く。
すでに各サービスを導入している店舗などは自動的に対象となり、利用できるのは600店舗程度。期間中、消費者の購入に応じて自動的に還元されるが、付与までに1~2カ月程度を見込む。市外在住者が購入、サービスを受けても還元される。
インターネット販売など実店舗以外での決済や、公共料金・納税の支払いは対象外。図書券やプリペイドカードといった換金性の高い物品、たばこの購入も除外される。
市は新型ウイルスの影響が広がった令和2年以降、苦境に立つ市内事業所の支援策を展開。住民の消費喚起による経済活性化に向けては、主に〝紙〟による事業を重ねてきた。
令和2~3年度には、独自経済対策で「ふるさと振興券」を3度実施。1世帯当たり1万円分(500円券20枚)を配布し、消費を促した。購買・サービスによる換金総額は、4億3000万円超となった。
3~4年度は、2度にわたりプレミアム商品券事業を展開。プレミアム分2000円(プレミアム率40%)を加えた7000円分の商品券(500円券14枚)を5000円で販売し、合わせて約7億円分が地元店舗の消費・購入やサービスで利用された。
今回は地元経済の活性化にとどまらず、市外からの消費喚起や、非接触型のキャッシュレス決済の普及による「新しい生活様式」への対応促進などにも力点を置く。他自治体での取り組みでは、1事業者のサービスのみとする動きもあったが、大船渡市では複数事業者に対応することで、事業終了後の利用定着も見据える。
市商工課の鈴木宏延課長は「新型ウイルスが5類に移行しても、まだ経済の回復には到っていないが、今後は人の動きが活発化することが予想される。幅広い顧客の獲得につながれば」と話す。マイナンバーカードによるポイント付与も進む中、市内事業所のキャッシュレス決済を生かした事業展開にも期待を込める。
事業者向けには、25日午後2時~4時と26日午前10時~正午に、盛町のシーパル大船渡で説明会を開催。キャッシュレス決済導入手続きや経営上のメリットなどを伝える。この場で加入手続きを始めれば、事業開始時期までの対応には間に合うという。
定員は両日とも50人で、事前申し込み制。キャンペーンの概要や参加方法なども伝えるほか、終了後には各決済事業者ブースで個別相談・デモ機の体験会も企画している。
また、住民向けの説明会も開催する方針。利用方法などを解説し、還元事業の有効活用や、日常利用の拡大を支援する。申し込み、問い合わせは市商工課(℡27・3111内線109、111)へ。
事業者向け説明会のQRコードは別掲。





