「大きく育ってね」 世田米保と横田保 園児が気仙川に稚アユ放流(別写真あり)

▲ 世田米保育園年長児たちが、小さなアユを優しく川に放した

 気仙川漁業協同組合(小山公喜組合長)は16日、住田町の世田米保育園(岩渕真理園長、園児63人)と陸前高田市の横田保育園(佐藤和未園長、園児22人)を対象に、気仙川で稚アユの放流体験を行った。両園の園児たちが順調な成育を願いながら、清流にアユを放した。
 同漁協では、川に親しみながら命の大切さを学ぶとともに、アユなどの内水面資源増殖の一端に触れてもらおうと、気仙川流域にある保育施設の子どもたちを対象に稚魚放流事業を展開している。
 世田米保育園ではこの日、年長児13人が同園近くを流れる気仙川で放流を体験。盛川産の稚アユ約2500匹が用意された。気仙川漁協の橋本勝美副組合長が「7月1日にはアユ釣りが解禁になるので、たくさんの人が釣りを楽しみにしています。みんなも、お父さんやおじいちゃんが釣ったアユを食べてみてください」と呼びかけたあと、園児たちがバケツに入った稚魚を優しく川へと放し、元気に泳ぐ姿を笑顔で見つめた。
 浅川鷲典ちゃん(5)は「アユがかわいかったし、楽しかった。大きくなってほしい。釣ったのも食べてみたい」と話していた。

成長を願いながら稚アユを放流する横田保育園児

 一方、陸前高田市横田町狩集地内の気仙川河川敷でも同日、横田保育園の3~5歳児10人が稚アユ約2500匹を放流した。
 同漁協関係者から稚アユの入ったバケツを受け取った子どもたちは、元気に泳いだり跳ねたりする魚の姿を見て大喜び。川に優しく魚を放しながら「大きくなあれ」と声をかけた。
 紺野楓心ちゃん(4)は「アユはかわいかった。大きく育ってほしい」と願っていた。
 小山組合長(72)は「こうした活動を通じて、小さいうちから地元の気仙川に親しんでもらいたい。子どもたちが大きくなったら釣りも楽しんでもらいたい」と話していた。
 本年度、同漁協では稚アユ約8万匹の河川放流を計画。この日は、園児分含めて約4万匹を流域15カ所へ放った。