初心者向け講座初開催 チェーンソーアート杣遊会 カーバー拡大と活動活性化へ(別写真あり)

▲ 杣遊会が初心者向けの講習会を開催

 住田町の「SUMITAチェーンソーアート杣遊(そまゆう)会」(佐藤清司会長)による講習会が21日、町内で始まった。初となる初心者向けの講習で、同日と6月4日(日)、同11日(日)の計3日間、参加者がチェーンソーアートの基礎を学び、作品づくりにも挑戦する。同会ではこれを契機として、カーバー(彫り手)の拡大や広くチェーンソーアートの活性化につなげていきたい考えだ。(清水辰彦)

 

 杣遊会は平成22年5月、「チェーンソーアートで町を元気に」と、住田町内などの林業関係者らが中心となって旗揚げした。
 「森林・林業日本一の町」を目指す同町を拠点に、チェーンソー彫刻を通じたまち並み整備や作品の特産品化といった取り組みに参画。町内でのチェーンソーアート競技大会の開催、町文化産業まつりをはじめ、気仙管内の各種イベントにおけるチェーンソーアートデモンストレーションなどを行いながら、地域活性化を後押ししている。
 初心者向けの講習会は今回が初開催。現在、同会の会員は約30人だが、カーバーはこのうち5~6人で、講習会を通して会員の拡大やカーバーの育成を図っていこうと企画した。住田町教委、町芸術文化協会が共催。
 延べ3日間にわたる講習会には大船渡市や住田町から4人が参加する。初日の講習は世田米の杣遊会事務所(斎藤機械店内)で開かれ、3人が参加。この日は機械の構造や操作方法、「目立て」(チェーンソーの刃を研ぐこと)を学んだほか、同会会員による実演も行われた。
 「チェーンソーは体の3点で支えるように」など、未経験者の参加者たちは、会員から細かなアドバイスを受けながら機械を操作。実際に木材を切る工程も体験し、チェーンソーアートの奥深さや楽しさを実感していた。
 講習会2日目からは、世田米地内にある同会の作業場を会場に、参加者たちが実際にチェーンソーを操作し、フクロウなどの作品制作に挑戦する予定となっている。
 細かな造形のフクロウを制作することで基本も身につくといい、佐藤会長は「会としても、カーバーをもっと増やしたいとは思っていたが、コロナ禍で思うように活動ができなかった。今年はいろんなことができるようになったので、講習を通してカーバーが増え、チェーンソーアートが活性化していけば」と期待を込める。