おおふなトレイルを歩こう 全10回に分けてツアー 第1弾は綾里「水と塩の道」

▲ 初回は三陸町綾里の不動滝などを巡るコースを計画

 大船渡市盛町の岩手開発産業㈱(伊藤林人社長)が展開する地元密着型旅行サイト「三陸ツアーズ」は6月から、みちのく潮風トレイルの市内ルートを全10回に分け、地元ガイドらと巡る「おおふなトレイル」を実施する。第1弾は同17日(土)で、三陸町綾里の不動滝などを巡る「水と塩の道」を予定。食事や各地に立ち寄る楽しさなど、沿線の魅力を幅広く伝える。(佐藤 壮)

 

 JTB総合提携店で旅行業を展開する同社の岩手開発観光は今年、社内に地域共創事業部を立ち上げ、観光面で地域活性化につなげていこうと事業を展開。先月には営業所「三陸ツアーズ」を構えたほか、同名のウェブサイトも公開した。
 潮風トレイルはルート全線にわたり、来訪者が増えている。こうした中、同社は大船渡の認知度を上げ、地域に来訪者を呼び込もうと、年間を通じて参加できるトレイルツアーを企画した。
 南から碁石海岸は「椿の道」と「縄文の道」に分け、大船渡町は「復興の道」としてコースを設定。盛町は「歴史の道」、赤崎町は「黄金の道」とし、三陸町綾里は「水と塩の道」「岬の道」「恋する道」に区切った。越喜来は「潮目の道」、吉浜は「峠の道」と名付けた。いずれも、大船渡線BRTや三陸鉄道の駅を発着点とし、公共交通の利用も促す。
 このうち、綾里の「水と塩の道」を巡る第1弾は17日午前8時30分からで、三陸鉄道綾里駅前に集合する。小学生以上が対象で定員は20人。全行程の距離は約9㌔で、解散は午後2時30分。動きやすい服装で参加し、雨具は各自持参する。
 料金はガイド代や昼軽食代、おやつ代、保険料として4000円。三陸町越喜来の鬼沢漁港前で民宿を営む「恵比寿丸」が協力し、地元の食材を用いたおにぎりや、郷土のおやつ「なべやき」を用意する。
 今回はトレイル初心者にも親しめるコース設定とした。綾里古道とも呼ばれ、仙台藩の時代には塩や海産物を運ぶ重要な交易道だった綾里街道の一部を、周辺の寺社を訪ねながら歩く。
 綾里ダムでは気仙大工の工法で造られたあずまやで、おやつを食べながら休憩。地元で『お不動さん』と呼ばれる不動滝に立ち寄り、九十九曲峠を一部経由し、昼食後は綾里のまち歩きを楽しむ。自然を知るだけでなく、地域住民との出会いを重視する。
 全ルートにオリジナルスタンプも用意する。まずは、地元を中心に集客を図り、発信力を高め、市外参加者も増やす考え。
 同社では「今後は地域の事業者との連携で、体験や宿泊付きのツアーなども展開を考えるほか、確実に集客できるコンテンツに育てたい。オプションで少人数向け、外国人向けにも対応する」としている。
 問い合わせは、同社地域共創事業部(℡27・1114、平日午前9時〜午後6時)へ。申し込みのQRコードは別掲。