夏にプレミアム券販売へ 商工会総会で決定 発行数 前年比2・4倍に

▲ プレミアム商品券の発行を決めた通常総会

 陸前高田市の陸前高田商工会(伊東孝会長、会員事業者536人)の第67回通常総会は23日、高田町の奇跡の一本松ホールで開かれた。新型コロナウイルス禍や物価高騰の影響などを踏まえ、本年度も市の補助を活用し、夏にプレミアム商品券を発行することを決めた。プレミアム率は昨年度と同じで、発行数を約2・4倍に増やして消費意欲の喚起、地域経済の活性化を図る。(高橋 信)

 

 総会には委任状を含め会員322人が出席。伊東会長は「物価高騰などへの対応を優先課題と捉え、市と連携した取り組みなどを通じて事業者の経営体力の強化を図っていきたい。困難に立ち向かって努力を続ける会員事業者への支援を行う」とあいさつした。
 議事では、令和4年度の事業報告、収支決算、商工会運営規約の一部改正、5年度の事業計画、収支予算など8議案を協議し、原案通り承認、可決した。
 事業計画によると、5年度の重点項目は、▽新型ウイルスによる影響を受けた商工業者への支援、エネルギー価格高騰などの影響を受けた事業者への支援▽経営力強化に向けた支援の継続▽組織、財政など運営基盤の強化と人材育成——の三つ。
 プレミアム商品券の発行は、コロナ影響下としては本年度で4年連続となる。販売開始時期は7月末を見込み、お盆の消費拡大を呼び込む。
 商工会によると、昨年度と同様1セット7500円分を5000円で販売する方向。発行総数は前年度比2万6000セット増の4万4000セットを想定している。
 これまでは中小事業者への経済支援を主眼としていたため、商品券の取扱店舗を主に小規模店舗としていたが、今回は1セットのうち一定額は大型スーパーマーケットなどでも使用できる仕組みに変更する方向で検討している。商品券の販売方法も工夫し、より多くの人が購入できるよう周知する。
 このほか、同年度は事業継続緊急支援金の発給事務を速やかに行うよう努め、融資相談会も開催する。雇用・就業の確保のため雇用調整助成金の申請事務をサポートする。行政の各種施策を取り入れながら事業者への伴奏型支援を継続的に実施する。
 4年度は経営改善普及事業に積極的に取り組み、経営力強化に向けた支援を展開。プレミアム商品券は1万8000セットを発行・販売し、昨年8月から今年1月まで使われた。換金総額は1億3425万円で、換金率は前年度と横ばいの99・4%だった。
 4年度における経営、金融、税務、労働などの相談、指導件数は、巡回739件、窓口1407件の計2146件だった。