第73回全国植樹祭いわて2023/復興の歩み 力強く 大船渡東高校太鼓部 式典で『大農太鼓』披露へ

▲ 全国植樹祭での演奏披露に向け練習に打ち込む大船渡東高太鼓部のメンバーら

 6月4日(日)に陸前高田市の高田松原津波復興祈念公園で開かれる「第73回全国植樹祭いわて2023」に、県立大船渡東高校太鼓部が出演する。地元での催しなどで演奏披露を行い、東日本大震災後の地域の活気創出に一役買ってきた同部。復興へと進み続けてきた県民の力強さと、太鼓部の伝統を発信すべく、心と音を一つに練習に打ち込んでいる。(菅野弘大)

 

 復興祈念公園内にある国営追悼・祈念施設の芝生広場を会場に開催される全国植樹祭。天皇・皇后両陛下が出席される式典のほか、招待者らによる記念植樹などが予定されている。
 式典は、宮沢賢治の童話『虔十公園林』の世界観を演出しながら、震災支援への感謝と岩手の豊かな森林を未来へ継承するメッセージ、緑に託す希望への思いなどを伝える。東高太鼓部は、3部構成の式典のうち、プロローグの場面に登場する。
 今年3月の全国大会出演を終えてから、植樹祭に向けた練習をスタート。ステージに立つ2、3年生11人は、礼節などの基本や演奏時の表情、動きを合わせ、一糸乱れぬ舞台を心がける。
 披露する曲目は、旧大船渡農業高時代の太鼓部員らが、学校統合の際に「太鼓に青春をささげてきた自分たちの活動の証しを未来に残したい」と作曲した『大農太鼓』。当時の部員らの心境や技術の成長ぶりが曲の中で表現されており、曲の進行とともにリズムやテンポを加速させていくのが特徴で、同部の象徴的な曲として大切に受け継がれている。
 植樹祭のイメージに合わせ、自然とつながりが深い農業高校で生まれたことから選曲。先月22日には現地でのリハーサルにも臨み、会場の雰囲気などを確認しながら音を響かせた。
 2度の全国大会を経験している村上雅弥部長(3年)は「天皇・皇后両陛下がご出席される式典で演奏できるのはすごいこと。緊張もすると思うが、これまでの経験を生かして練習の成果を発揮したい。そして、訪れた人々に地元の自然の豊かさや魅力、そして大切さを感じてほしい」と意欲を見せている。