第73回全国植樹祭いわて2023/大会の喜び 分かち合う機会に 開催まであと4日 県が式典をユーチューブで配信
令和5年5月31日付 1面

陸前高田市の高田松原津波復興祈念公園で6月4日(日)に開かれる「第73回全国植樹祭いわて2023」まで、あと4日に迫った。同祭の県実行委員会は、同日午後1時から現地で行われる式典について、インターネットの動画投稿サイト・ユーチューブでライブ配信を行う。多くの人にリアルタイムで植樹祭を楽しんでもらおうと企画したもので、49年ぶりの岩手開催の喜びを分かち合える機会となりそうだ。(三浦佳恵)
岩手県では、昭和49年に松尾村(現八幡平市)で開かれた第25回大会以来、2回目となる全国植樹祭。天皇・皇后両陛下がご臨席のもとで式典が行われ、県内外からの招待者約2200人が出席を予定する。
国土緑化運動の中心的行事であり、県民総参加による森林づくりや東日本大震災からの復興支援に対する感謝などを広く発信する機会となる。開催に向け、県実行委や関係機関では、地元はもちろん、県民を挙げた〝オール岩手〟で機運の醸成を図っている。
一方、大会に出席できるのは、抽選で選ばれた県民を含む招待者のみ。県実行委が式典中継の放映などを行うサテライト会場は、盛岡、北上、久慈の3市のみのため、広く県民が同祭に触れ、開催の意義や会場の雰囲気を共有できる機会が求められていた。
そこで、県実行委はユーチューブによるライブ配信を決定。当日は、式典直前の午後0時58分に配信を開始する。
式典は同1時に開会。プロローグ(約1時間)、記念式典(同)、エピローグ(約30分)の3部構成で展開。全体を通じた式典演出として、宮沢賢治の短編童話『虔十公園林』の物語に沿ったアトラクションを進行する。
ストーリーテラーは陸前高田市広田町出身の俳優・村上弘明さんが、語り手は金ケ崎町出身の声優・桑島法子さんが担当。高田高校の生徒が式典アシスタントを務めるほか、式典音楽隊には同校と大船渡高校の吹奏楽部2、3年生が参加する。
プロローグは「感謝~ありがとう いわてからの感謝状~」をテーマに、招待者を「イーハトーブいわて」の世界へと誘いながら、震災からの復興の歩み、感謝を伝えるアトラクションを展開。大船渡東高校の太鼓部が演奏を披露し、「感謝のメッセージリレー」では陸前高田市高田町の菅野秀一郎さん(菅久菓子店)、気仙小学校緑の少年団の菅野怜海さん(6年)、吉田想さん(同)が登場し、思いを伝える。
同2時からは、天皇・皇后両陛下が出席される記念式典に移り、「誓い~緑をつなごう 輝くイーハトーブの森から~」をテーマに実施。天皇陛下がお言葉を述べられ、緑化功労者らの表彰、両陛下による「お手植え」「お手まき」、大会テーマの表現、大会宣言などを予定する。
県内の緑の少年団を代表し、米崎、気仙、横田、世田米、有住各小学校の児童らが介添えや三旗掲揚などを務める。
両陛下が退席されたあとの同3時ごろからは、エピローグ「希望~みどり輝く未来へ向けて~」を行う。伝統芸能の披露やいわての森林・林業の未来に向けた取り組み紹介を繰り広げ、フィナーレには出演者全員がステージに登壇。盛岡市出身のミュージシャン・佐藤千亜妃さんが、大会テーマソング『風に抱かれて』を歌う。
ライブ配信は同3時27分までだが、エピローグ終了まで延長する。別掲のQRコードから視聴できる。
県実行委では「全国植樹祭をより多くの方々に楽しんでもらいたい。ぜひご覧になってほしい」と呼びかけている。