求人受け付けがスタート オンライン提出主流に 来春の新規高卒者対象 就職希望者は減少傾向 大船渡職安

▲ 来春の新規高卒者を対象とした求人受け付けが始まり、大船渡職安ではオンライン申請にも対応

 令和6年3月の新規高校卒業予定者を対象とする事業所の求人受け付けは1日、全国の公共職業安定所で一斉に始まった。近年はオンラインによる求人票の提出が主流となっており、大船渡職安(高岩成寿所長)でも多くの事業所が利用。少子化や進学率の上昇により、就職希望の新規高卒予定者が減少する一方、若い人材を求める事業者は多い見込みで、同職安では7月1日(土)からの求人公開に間に合うよう、早めの提出を呼びかけている。(三浦佳恵)


 新規高卒予定者に対する職安の求人受け付けは、平成29年以降6月1日に始まっている。今年、大船渡職安が初日に受け付けた求人数(午後4時現在)は13社14件30人。昨年の27社32件73人を、14社18件43人下回った。
 一般も含む求人手続きはこれまで、各事業所の担当者らが直接職安で行っていた。こうした中、新型コロナウイルスの感染防止策もあり、各職安では「ハローワークインターネットサービス」を利用したオンラインでの手続きを推進。大船渡職安管内では5月末現在で476社が登録し、活用している。
 このため、新規高卒者向け求人でもオンライン申請が主流に。特に、新規高卒者向けの求人票は一般よりも詳細な記載が求められることもあり、更新作業がしやすいオンラインが定着しているという。初日の求人手続きも、ほとんどがオンラインだった。
 大船渡市盛町のマルエス鉄工㈱(佐藤英人代表取締役、従業員13人)でも、受け付け開始に合わせてオンラインで求人票を提出。オンラインは昨年から利用しており、今年は工場に勤務する1人の採用を計画する。
 佐藤代表取締役(54)は「オンラインはこちらで条件を変えてすぐに更新でき、窓口での手続きよりも楽になった。きっちり勤務ができて、あいさつやコミュニケーションがとれる人材を求めている。必要な資格の取得に向けても応援したい」と話していた。
 同職安がまとめた求職動向調査(5月26日現在)によると、管内の高卒予定者数は374人で、このうち就職希望者は77人となっている。3年連続で3桁を割り、過去10年間で最も少なくなった。
 卒業予定者に占める就職希望者の割合は20・6%と、前年度から0・3ポイント減少。就職希望者のうち、管内を望んでいるのは39人と全体の50・6%を占め、県外希望者は20人(26・0%)、管内を除く県内希望者や未定は18人(23・4%)となった。
 全国的な人手不足の中、将来の事業継承なども見据えて多くの事業所が若い人材を求めている。同職安によると、管内事業所の採用意欲に減退は見られていないといい、昨年並みの求人数や高い求人倍率が見込まれる。
 同職安の佐藤貞治統括職業指導官は「新規高卒予定者への求人公開の段階で多くの生徒に見てもらえるよう、可能な限り今月中に求人票を提出し、積極的なアプローチにつなげてほしい」と呼びかけている。
 新規高卒予定者の選考と採用内定は、9月16日(土)からとなる。