教育関連施設での活用も 町議会一般質問で当局示す 閉校後の有住中校舎等
令和5年6月7日付 1面

住田町議会6月定例会は6日に開会した。会期を9日(金)までの4日間と決め、当局は議案7件、専決処分4件を上程。初日は通告に基づく一般質問が行われ、荻原勝(無所属)、村上薫(同)、林﨑幸正(同)の3議員が登壇して組織横断的な行政運営、中学校統合について論戦。この中で、本年度で閉校して来年度に新設統合する世田米、有住両中学校に関して、当局は有住中閉校後も、当面は教育関連施設などとして活用していくとする方向性を示した。(清水辰彦、2面に一般質問の主なやりとり)
閉校後の校舎活用を取り上げたのは村上、林﨑の両議員。
世田米中と有住中を巡っては令和3年度、町教委が教育審議会に「今後の小中学校のあり方」について諮問。顕著な少子化も背景に、審議会では議論の末に「中学校は統合することが望ましい」「小学校は時機を待って統合を」と答申した。
これを受け、町教委では世田米、有住両地区の保護者らを対象に説明会を開催。出席者からは中学校統合への異論が聞かれず、教委では同4年5月に学校統合推進協議会を設置して統合に関する事項について協議した。
その結果、両校は6年4月に新設統合し、校名を「住田中学校」とすることや、校舎については当面は既存の世田米中校舎を使用していく方針を決めた。
両校の統合に関して、村上議員は「閉校となる有住中の管理、運営、利活用の方向性は」と質問。
有住中は、昭和46年に下有住・上有住・五葉の3校が統合しての開校後、校舎が同47年、体育館が同48年に建設された。いずれも建設から約50年が経過しているために経年劣化が見られるものの、水道設備は平成29年に全面改修し、30年には各教室にエアコンも設置されている。
敷地面積も校舎や運動場など合わせると約3万3000平方㍍と広大で、これらを踏まえたうえで神田謙一町長は「統合後も、教育関連施設として活用を図りたい」との考えを示した。
林﨑議員も同様に、「有住中の建物や土地をどのようにするのか」と尋ねた。
松高正俊教育長は、校舎は建築から51年、体育館は50年が経過しているとし、「長期間の使用は困難だが、解体には多額の費用が必要となる。数年間は教育関連施設としての活用を見込んでいる」と答弁。
一方で、釜石自動車道の開通などによって周辺の交通環境も向上していることから、将来的な活用に関しては各課横断的に、防災・福祉・産業振興などさまざまな視点での活用策を検討していくこととしている。