新ブランド定着に期待 盛川フレッシュサーモン 盛川漁協が猪川町の養殖施設で育成 市魚市場などに今季初出荷(別写真あり)

▲ 水槽から出荷用のタンクに移される「盛川フレッシュサーモン」

 大船渡市の盛川漁業協同組合(佐藤由也組合長)は8日朝、猪川町内の養殖施設で育てたニジマス「盛川フレッシュサーモン」を、今季初めて市魚市場などに出荷した。施設に入れる前の育成で工夫を重ね、昨年よりも大きさの安定化を図った。同漁協では淡水で育て、身が引き締まった品質を生かしたブランド展開を見据える。出荷は8月まで7000匹程度を計画している。(佐藤 壮)


8月まで7000匹程度計画

 

 施設内では午前4時ごろから、2・5㌔~1・4㌔程度に育った計250匹を、水槽内から水揚げした。夜明け前の薄暗い中、職員らが1匹ずつ数えながらタンクに移した。
 140匹は市魚市場に、110匹は卸売業者を介して県内スーパー向けに出された。市魚市場での入札では、価格は大きさごとにばらついたが、調理しやすく脂のりも良い2㌔超のサイズは、1㌔1000円~830円の取引で、昨年の700円台を上回った。県内の飲食店や小売店、市内の産直施設などに出す動きなどが見られた。
 買い受け人からは「このくらいの大きさがそろえばいい」「昨年よりも丸みがあっていいのでは」といった声が聞かれた。
 初出荷は、昨年よりも約3週間早い。昨年は高水温などに悩まされたが、今季は順調に成育しているという。当面、毎週火・木曜日に水揚げし、それぞれ当日に150匹程度の出荷を見込む。
 育成事業を担当し、初日の入札に立ち会った盛川漁協の千葉香織さん(39)は「猪川町の施設で10月から育てる前に、赤崎町内のふ化施設を生かして育成することで安定化できた一方、経費がかかった。昨年を上回る価格で安心した。さらに認知が広がり、地元の飲食店などで取り扱ってもらえれば」と期待を込めた。
 盛川漁協はこれまで、サケ養殖とアユの中間育成をメインに展開。サケ養殖は近年、回帰率の減少などで厳しい状況が続く中、平成29年度からトラウトサーモンの試験事業に取り組んできた。
 ニジマスの養殖魚は、各地で「トラウトサーモン」や地名を冠した「サーモン」などとして売り出され、新たな養殖漁業資源として注目。生食は、刺し身やすしねたとして需要がある。
 猪川町の民有地に、直径15㍍の水槽3基と同10㍍の1基を整備。近隣を流れる大野川の水を利用し、水車も付けて酸素濃度などを管理する。昨年の出荷分から、この施設を中心に育成している。
 本年度から「盛川フレッシュサーモン」と名付けてブランド展開を図る。消費者や買い受け人からの「脂のりがほど良い」といった声を反映したほか、さっぱりとした味わいの印象も強調。淡水は英語で「fresh water(フレッシュ・ウオーター)」と訳され、県内沿岸では海面育成が多いことから、独自性や差別化も重視している。
 佐藤組合長は「大きさはそろっているので、昨年を上回る実績になるだろう。1年程度をかけ、2㌔前後に育てるのが当面はベストと考える。安定生産になりつつあるので、ブランドを定着させたい。施設の拡張に向けた支援も働きかけたい」と話している。