体験さまざま魅力再確認 おおふなぽーと開館5周年 多彩に記念イベント(別写真あり)

▲ 子どもたちが自由な発想で楽しんだ「ベンチペインティングイベント」

 大船渡市防災観光交流センター「おおふなぽーと」で10日、開館5周年イベントが開かれた。東日本大震災の復興事業で整備された立ち寄りやすい中心市街地にある複合的な機能を生かし、デザインイベントやバザー、講演会などを企画。幅広い世代の市民らが特色あふれる体験を楽しんだほか、今後の充実した催しへの期待を込めた。(佐藤 壮)

 

「ころりんバザー」にも多くの住民が来訪

 平成30年6月の全館開館以降、住民活動やイベント開催などさまざまな活動で利用される中、指定管理者の一般社団法人市観光物産協会(齊藤俊明会長)と、同協会から事業の一部を受託している特定非営利活動法人おはなしころりん(江刺由紀子理事長)がイベントを企画。日頃の感謝を示し、さらなる利用促進を図ろうと準備を進めた。
 雑貨や日用品、衣類、古本などを並べた「ころりんバザー」が和室と展示室で始まると、市民らが続々と訪れ、にぎわいが生まれた。
 屋外では「ベンチペインティングイベント」を開催。木製のベンチに、おおふなぽーとのロゴをかたどったデザインペイントを楽しむ企画で、小学生らが自由に色を塗り、歓声を上げた。
 多目的室で行われた「レゴでまちをつくろう」は「LEGOⓇSERIOUS PLAYⓇ(レゴシリアスプレイ)」と呼ばれるワークショップの流れで、同プレイの認定ファシリテーター資格を持つ、市デジタル推進アドバイザーの磯崎靖彦さんがアドバイス。小学生が「未来の大船渡」などをテーマにLEGO(レゴ)Ⓡブロックを組んだほか、話し合いながら作品を並べ、まちづくりへの意識を高めた。
 液化したアクリルの絵の具を注いで模様をつくるアート体験「ポーリングアート創作教室」では、好きな色を選んで入れたコップからキャンバス上に広げると、想像を超える色合いに仕上がった。参加した大船渡小5年の山口未散さんは「コップをひっくり返すのがわくわくした。楽しいイベントがもっと増えてほしい」と語り、笑顔を見せた。
 イベントは午後も続き、詩人で絵本作家の宇部京子さんが東日本大震災後に出版した絵本の読み聞かせなどを行った。「おおふなトンとの記念チェキ撮影会」も人気を集め、子どもらでにぎわった。
 おはなしころりんの江刺理事長は「これまで多くの方々に利用していただいた感謝でいっぱい。コロナ禍が落ち着き、活発なイベント開催へとシフトするとともに、イベントがあってもなくても、居心地のいい場所になるよう努めたい」と、市観光物産協会の千葉洋一事務局長は「気軽に立ち寄ってもらう施設運営に加え、今後は防災学習も市と協議しながら充実させていきたい」と話していた。