市が魅力向上へてこ入れ 7~8月開設の高田松原海水浴場 客足減踏まえ レジャー充実 BBQも
令和5年6月14日付 1面

陸前高田市は、7~8月に開設する高田松原海水浴場のマリンアクティビティーを充実させる。バーベキュー(BBQ)や砂浜遊び、車いす・家族連れ優先、休憩などの各エリアを配置し、ウオーターボールなど海で遊ぶ大型エア遊具も用意。本年度は試験的に導入するためいずれも無料で利用できる(駐車場代などは有料)。安全で誰もが楽しめるビーチを指す国際認証制度「ブルーフラッグ」の取得も目指す。東日本大震災前は大勢の海水浴客でにぎわったが、砂浜再生後は新型コロナウイルス禍を背景に客足が伸び悩んでおり、高田松原の資源を生かした魅力向上へ、てこ入れに踏み切る。(高橋 信)
市が取り組むブルーツーリズム推進事業の一環。関連費は約2000万円を見込み、観光庁が公募した支援事業の採択を受けた。
海開き期間は7月15日(土)~8月20日(日)ごろを予定。BBQエリアはテントや焼き台、テーブルなどの一式を置き、食材を持参すれば手ぶらで利用できる。
砂浜遊びエリアは、ビニール製の球体に身を包んで体をぶつけ合いながらサッカーをする「バブルサッカー」を楽しめる。休憩エリアにはパラソルやビーチベッドなどを設け、気軽にくつろげる空間を提供する。
マリンレジャー用として水上散歩を楽しめる大型のエア遊具も導入。民間会社による海上アスレチックの整備計画も進んでいる。
車いす・家族優先エリアには砂浜の上でも車いすが通れるビーチマットを設置し、海のバリアフリー化を図る。水陸両用の車いすや子ども用プール、おもちゃも用意する。
また、砂浜の一角にスポーツ・イベントエリアを配置。ビーチバレーやブラジル発祥のビーチスポーツ「フレスコボール」の大会会場などとしての活用を想定する。
各エリアのアクティビティーは基本的に利用無料。満足度などのアンケート調査に答えるのが条件となっている。
ブルーフラッグは水質、環境マネジメントなどの4分野33項目にわたる基準を満たした海水浴場やビーチ、マリーナに与えられる国際的な認証制度。県内海水浴場第1号の取得を目指し、今夏、要件となる調査・活動を実施したうえ、11月ごろ申請する。
高田松原の砂浜は震災の津波で流失し、県による再生工事を経て令和3年、11年ぶりとなる海開きが行われた。
市や市観光物産協会によると、同年の海水浴客数は約1万3500人、4年は約8200人。2年連続でコロナ禍や天候不順の影響があったものの、震災前の平成22年の17万5678人(市調べ)と比較すると大幅に減少。誰もが安心して楽しむことができ、多様な層のニーズを満たすコンテンツの造成が求められていた。
市観光交流課観光係の熊谷剛係長は「ブルーフラッグ取得など、SDGsに力を入れる当市らしい持続可能な発展につながるような海水浴場にしたい。大勢の人に楽しんでもらえるよう魅力の向上に努め、交流人口の拡大、経済活性化にも波及すればいい」と見据える。
各アクティビティーの配置案は別掲。