彬子さま 陸前高田市に 震災関連の施設ご視察 地域の復興に理解

▲ 東日本大震災津波伝承館を視察される彬子さま㊨

 三笠宮彬子さまは20日、陸前高田市を訪問された。高田松原津波復興祈念公園や市立博物館を視察し、東日本大震災の被害状況や12年余りにわたる地域の復興に理解を深められた。
 彬子さまは、上皇陛下のいとこ・寛仁親王の第一女子。陸前高田市には平成28年3月に訪れ、市民らと手仕事体験を通じて交流されている。
 今回は、19、20の2日間の日程で岩手をご訪問。19日は、滝沢市の岩手県立大学25周年記念講演会で講師を務められた。
 20日は、午前10時30分過ぎに復興祈念公園にご到着。彬子さまは「海を望む場」で花を供え、震災の犠牲者らを追悼された。
 同市の復興のシンボルでもある震災遺構・奇跡の一本松では、佐々木拓市長が市内の復興状況を説明。彬子さまは、一本松の保存整備、いまは橋桁のみが残るベルトコンベヤー「希望のかけ橋」による復興まちづくりなどの話に耳を傾けられた。
 その後、東日本大震災津波伝承館を視察された彬子さま。澤田彰弘副館長の案内で館内を巡り、展示物から県内における震災の被害状況や教訓の数々、復旧・復興の進捗などを確認し、被災地に改めて心を寄せられた。
 視察後、澤田副館長は「彬子さまは真剣な様子で話を聞かれていた」と振り返り、「『次の災害で同じような悲劇を繰り返さないよう、日頃から多くの方に防災意識を持つことが大切』とおっしゃっていた。私からも『そういった取り組みを繰り返し続けていくことが必要』と答えた」と話していた。
 午後には、昨年11月に開館した市立博物館をご訪問。彬子さまは、同館の熊谷賢主任学芸員から市内の歴史や津波で被災した文化財のレスキュー活動などの解説を受け、地域文化の復旧・復興に対し、一層の関心を高められた様子だった。