基本構想「変更しない」  市まちづくり総合計画 市長が考え示す 来年度から後期5年スタート

 陸前高田市の佐々木拓市長は22日、来年度から後期期間に入る同市まちづくり総合計画(令和元年度~10年度)に関し、「現時点で基本構想の変更は考えていない」との見通しを示した。市は現在、前期(元年度~5年度)を引き継ぐ後期基本計画(6~10年度)の素案を練っており、本年度内の策定を目指している。今後のまちづくりの具体策が盛り込まれる後期基本計画内に、2月の市長選で誕生した佐々木市政の政策がどう反映されるか注目が集まる中、計画の根幹をなす基本構想は刷新せずに推し進める考えだ。(高橋 信、2面に一般質問の主なやり取り)

 

 同日開かれた市議会定例会の一般質問で、木村聡議員(無所属)が取り上げた。「後期基本計画には前期の考えを継続するもの、廃止するもの、新たに導入するものがあると思う。特に基本構想は変更、更新の可能性はあるか」と尋ねた。
 計画上の指針となる基本構想は、▽まちの将来像▽基本理念と基本目標——で構成。期間は総合計画と同じ10年間で、長期的・広域的な視点から定めた。
 佐々木市長は「平成31年3月に議会の議決をいただいた基本構想の変更方針については、現時点では考えていない」と明言した。
 一方で、後期基本計画の策定を見据え、市長は「基本計画に掲げている基本政策は、現状と課題を精査し、主な基本事業や取り組み内容、成果指標などを見直す」と答弁。「総合計画推進委や各種団体と意見交換するほか、さまざまな形で市民から意見をいただく。市民との協働による計画づくりを進めていきたい」と強調した。
 まちづくり総合計画は、平成23年12月に策定した市震災復興計画(平成23~30年度)を継承する同市の最上位計画。
 まちの将来像は「夢と希望と愛に満ち/次世代につなげる/共生と交流のまち 陸前高田」。基本理念には、▽創造的な復興(より良い復興)と防災・減災による安全・安心なまちづくり▽ノーマライゼーションという言葉のいらないまちづくり(世界に誇れる美しい共生社会のまちづくり)▽次世代につなげる持続可能なまちづくり——の3点で、これに基づく基本目標は分野別に8点を挙げる。
 前期計画では基本目標ごとに、さらに細分化した計33の基本政策を記載している。
 後期計画に関しては、中身を検討する計画審議会の初会合が4月に開かれた。委員は市内の各種団体代表者や有識者、一般公募の市民らで構成し、初回は策定に向けた考え方を確認した。
 次回会合は7月を予定し、計画の素案をもとに審議に入る。12月から来年1月にパブリックコメントを実施したうえ、審議会は2月に計画案をまとめ、佐々木市長に答申する。その後、市議会の議決を経て策定する見通し。