うごく七夕へ準備着々 和野は4年ぶり山車運行 アザフ作りに学生も参加(別写真あり)
令和5年6月27日付 7面

陸前高田市高田町の夏の伝統行事「うごく七夕」は、今年も8月7日(月)の開催を予定している。町内各祭組で準備が始まっている中、和野七夕祭組(熊谷則男会長)では、今月24、25の両日、山車を飾るアザフを制作。新型コロナウイルス禍を挟んで4年ぶりの山車運行を目指し、東北大学(宮城県)のボランティア学生も参加して成功への機運を高めた。(阿部仁志)
うごく七夕は、盆の先祖供養のため江戸時代に始まったとされる。コロナ禍で令和2、3年は中止となり、昨年は感染対策に留意しつつ、10ある祭組のうち7祭組の山車が町内を練り歩いた。今年も実行委が開催に向けて準備を進めている。
和野の祭組の山車は、昨年は運行を見送ったが、今年は4年ぶりに〝復活〟する。
24日は上和野、下和野両会館で紙を折ってアザフを作る作業が、25日は下和野会館で紙を染める作業が行われた。地区民のほか、東日本大震災後から復興支援で和野地区とつながりのある同大陸前高田応援サークル「ぽかぽか」(富樫愛代表)の学生ら16人も駆けつけた。
25日の染色作業は、地区民と学生合わせて約60人で実施。染料の入ったバケツに、縦10㌢、横15㌢ほどに折られた5枚組の紙の端を浸し、色をつけるとロープにつるして乾かした。
参加者らは、会館前が赤、青、黄、黄緑、緑の5色のアザフで彩られ、幻想的な雰囲気に包まれると、笑顔を交わした。今後、乾かしたアザフを材料にした〝みす〟作りや太鼓のはやし練習なども控え、久しぶりに漂う祭りの雰囲気に気分を高揚させていた。
同大の学生がアザフ作りに参加するのは4年ぶりとなり、代替わりもあって全員が初体験。富樫代表(20)は「人の手が加わっているのを間近で見て、地域行事に対する町の人たちの熱も伝わってきた」と語った。
熊谷会長(72)は「3年間のブランクは大きく、祭りが近づいてもどこか盛り上がりに欠けている気がしていたが、このアザフの光景を見て気分が高まった。一つ一つ染め上げた和野のアザフならではの彩りで、地域の子どもたちにも喜んでもらいたい」と意気込んでいた。