姉妹校での生活に心躍らせ 高田高で短期留学スタート 米デルノーテ高生徒2人(別写真あり)
令和5年6月28日付 7面

米クレセントシティ市のデルノーテ高校の卒業生と現役生の2人が、陸前高田市の県立高田高校(菅野幸貴校長、生徒344人)に短期留学している。東日本大震災で流失した高田高の実習船「かもめ」が、クレセントシティにたどり着いた縁をきっかけに国際姉妹校関係にある両校。26日に高田高で受け入れ式が行われ、2人は絆を深める姉妹校での学校生活に期待を膨らませた。(高橋 信)
短期留学に臨んでいるのは、今月デルノーテ高を卒業し、大学進学を控えるゲイブ・ハワードさん(18)と、同校2年のチャールストン・タイガートさん(16)。クレセントシティから陸前高田市への訪問団15人の一員として、25日から同市に滞在しており、タイガートさんは今月29日まで、ハワードさんは7月下旬まで留学する。
26日の受け入れ式は同校体育館で開かれ、全校生徒が2人を歓迎。菅野校長は両校の交流の軌跡や2人について紹介し、「積極的に話をして高田高校や陸前高田、岩手のことなどを伝えてほしい」と呼びかけた。
高田高生は記念品を贈呈し、校歌や柔道の投げ技、空手の形を披露。書道部は大きな紙に「歓迎」「Have a great day」と書くパフォーマンスを繰り広げ、ハワードさんとタイガートさんは拍手を送った。
ハワードさんは「素晴らしい歓迎を受けた。短期留学はすべてが楽しみだが、勉強している日本語を頑張って使い、みんなとコミュニケーションを取りたい」と、はつらつと語った。
タイガートさんは「実習船の縁でこんなにも離れた二つの学校がつながり、交流しているのは大変素晴らしいこと。皆さんと話して日本語を少しでも覚えて帰りたい」と意欲を見せた。
津波で流された高田高のかもめは太平洋を約2年かけて横断し、平成25年4月、米カリフォルニア州の港町クレセントシティ市に漂着。地元のデルノーテ高生らの尽力で同年10月に高田高に返還され、これをきっかけに双方の高校生が訪問し合うなど交流が始まった。両校は29年に国際姉妹校提携を結び、30年にはクレセントシティと陸前高田の両市が姉妹都市協定を締結した。