〝7月商戦〟へ準備着々 キャッシュレス決済ポイント還元事業 消費者に最大20%分のメリット
令和5年6月29日付 1面


サン・リアではバーゲンと連動した独自ポスターの作成も進む
大船渡市のキャッシュレス決済ポイント還元事業は、7月1日(土)に始まる。コロナ禍や物価高騰の影響を受ける市内事業者の支援策の一環で、還元額は約7800万円を見込み、消費者へのポイント還元率は決済金額の最大20%。5事業者のサービスに対応する。各店舗にはキャンペーンポスターやチラシなどが送付されたほか、同事業と連動させたセールの動きも。市は地域経済活性化に加え、非接触型の決済普及による「新しい生活様式」への対応促進も見据える。(佐藤 壮)
市は、新型コロナウイルスの影響長期化や物価高騰下で苦境に立つ市内事業者向けの支援策として準備。令和4年度の一般会計補正予算に関連財源を計上し、調整を重ねてきた。㈱JTB盛岡支店に委託している。
実施期間は7月31日(月)まで。還元額は約7800万円分を見込み、上限に達する見込みとなった場合は、早期の終了もあるという。終了の数日前に専用ホームページや市SNSなどで周知する。
対象の決済サービスは▽auPAY(KDDI㈱、今月15日時点257店舗) ▽PayPay(PayPay㈱、同207店舗)▽d払い(㈱NTTドコモ、同354店舗) ▽楽天ペイ(楽天ペイメント㈱、同201店舗)▽楽天Edy(楽天Edy㈱、105店舗)──の5種類。
幅広く対応することで、住民や事業者の利便性を確保。県内自治体でも同様の事業は見られるが、5種類は珍しいという。
ポイント還元率は20%。1000円分のサービス・購入時に利用した場合、200円分のポイントが付与される。1決済当たりの付与上限は1000円分。キャッシュレス決済事業者の1サービスごとに、3000円分まで付与され、最大1人1万5000円分が還元される。
開始に先立ち、5月には事業者向け説明会を開催。2日間で33人が参加し、その中から新たに決済サービスを導入する動きも見られた。
6月には利用者向け説明会を盛町のサン・リアで3日間開催し、延べ140人が来場。すでにスマートフォンにアプリが入っているものの、使っていない市民が訪れ、操作方法などを確認する姿が目立ったという。
対象店舗は市内に店舗がある飲食店、宿泊業、小売店、生活関連サービス業、運輸業(貨物を除く)、学習・教育関連サービス業、持ち帰り・配達飲食サービス業など、多岐にわたる。すでに各サービスを導入している店舗などは自動的に対象となる。
期間中、消費者の購入に応じて自動的に還元される。市外在住者が購入、サービスを受けてもポイントが貯まる。
県飲食業生活衛生同業組合大船渡支部の千葉武継支部長は「市内の小さな店舗でも、決済事業者から月数十万円の入金があり、普及が進んでいると感じる。還元そのものだけでなく、説明会を通じて利用者が広がったのも大きい。団体としては、各個店の運営費負担が下がるように働きかけを行っていくことも重要になっている」と話す。
市ではこれまで、コロナ禍の支援策として「ふるさと振興券」「プレミアム商品券」と〝紙〟による事業を展開してきたが、事業者側ではポイント還元実施の要望も根強かった。マイナンバーカードによるポイント付与も進む中、市はキャッシュレス決済を生かした経済活性化や地元事業者の顧客獲得にも期待を込める。
対象事業者には、事務局からキャンペーンポスターやチラシといった告知グッズが送られた。1日から提示・活用が本格化し、どのキャッシュレス決済が対応可能かなどを知らせる。
また、サン・リアでは、7月にバーゲンを計画し、この事業と連動させた独自ポスターを準備。店内では1、2(日)の両日、一部決済サービスによるキャンペーンイベントも予定。
また、事業事務局では7月上旬から、利用者アンケートを実施し、市特産品のプレゼントも計画している。問い合わせは、事業事務局(℡050・3803・8065)へ。