伝承へ「まなぼうさい」 防災学習ネットワーク協が8月に開催 小中学生の自由研究などに期待
令和5年7月1日付 7面
大船渡市防災学習ネットワーク運営協議会による「まなぼうさいツアー」が8月11日(金・祝)、市内で開かれる。赤崎町にある防災学習館への訪問や三陸鉄道震災学習列車乗車などを通じて、東日本大震災の経験や教訓、近年頻発する洪水、土砂災害に備える意識を高めようと、本年度初めて企画。夏休み中の小中学生をはじめ、参加を広く呼びかける。申し込みは今月5日(水)から受け付ける。(佐藤 壮)
防災学習ネットワークは、大船渡市の中心市街地に整備されたおおふなぽーとを中心とし、市内にある津波伝承施設や組織、市外の津波伝承施設などと連携しながら、震災の経験や教訓を引き継ぎ、自然災害の恐ろしさや備えに対する学びにつなげる取り組み。
今年完成したリーフレットでは、おおふなぽーとや市立博物館、市魚市場展示室、防災学習館、潮目など11カ所を紹介。浸水域だけでなく、猪川町や立根町、日頃市町では「共助のあり方や津波以外の災害を学ぶ」といった方向性を描いている。
同協議会は、市内の津波伝承・防災学習の推進に向けて、関係者が連携を図りながら、防災学習ネットワークの円滑な運営及び強化につなげようと、昨年設置。学識経験者や行政、防災、教育、観光、産業各機関の関係者で組織している。
防災学習ツアーは、新型コロナウイルスの影響が落ち着き始めてきた中、ネットワーク関連施設の利用促進につなげようと、本年度新たに企画。震災から12年が経過し、すべての小学生以下が震災以降に生まれ、伝承の重要性が高まっている中、夏休み中の小中高生をはじめ、幅広い世代の参加を呼びかける。
当日はおおふなぽーと前に、午前8時30分集合。市のバスで移動し、赤崎町の漁村センター内にある防災学習館で、ガイドの案内を受けながら見学する。津波被害や復興状況、避難生活の様子に加え、洪水・土砂災害など自然災害への備えに理解を深める。
同館を巡るツアーはこれまでも実施してきたが、今回は三陸鉄道㈱が協力。見学終了後は、陸前赤崎駅まで徒歩で移動して震災学習列車に乗り、車内で震災当時の様子や被災地の現状などをについて、ガイドから説明を受ける。
釜石駅に下車後は、市のバスでおおふなぽーとに移動。アンケート記入後に解散となる。
夢海公園やみなと公園、キャッセン大船渡への来訪など、その後の行動は各自に任せる。
同運営協議会の事務局を担う市防災管理室では「震災から12年が経過し、当時の記憶がない世代に加え、震災後に生まれてきた子どもたちも増えている。児童や生徒たちが自由研究などに取り組む機会にもなれば」としている。
定員25人で、参加費は無料。グループでの参加も可で、小学生以上は保護者同伴とする。募集期間は今月5日~8月7日(月)。市観光物産協会(℡21・1922、おおふなぽーと内)で問い合わせや申し込みに応じる。