サンマ焼き師へ技術習得 市外中心に50人参加 観光物産協会 認定試験 きょうは筆記(別写真あり)

▲ 師範代の佐藤さん㊧からアドバイスを受けながら焼き方を学ぶ受講生

 大船渡市観光物産協会(齊藤俊明会長)による「さんま焼き師認定試験」の実技講習は8日、大船渡町のおおふなぽーとで行われた。参加者は熟練の技を持つ「師範代」らから炭火焼きのコツを学ぶとともに、自らも手を動かして挑戦。食欲をそそる香ばしさと焼き色に仕上げ、自信を深めた。9日は、同施設で筆記試験を予定している。(佐藤 壮)


 試験は、全国に向けて「水産のまち大船渡」「さんまのまち大船渡」を情報発信し、大船渡市ファンの獲得や地域力の維持、強化を図ろうと平成28年にスタート。これまでの認定者は500人を超える。
 本年度は前年を上回る50人が参加し、このうち約9割が市外在住者となった。講師は、さんま焼き師の認定者で、令和3年度に師範代となった高木隆幸さん(49)=盛町=と紀室修さん(44)=末崎町、佐藤正光さん(54)=日頃市町=らが務めた。
 会場には、5台の焼き台を用意。実技では、参加者が師範代らの指導を受けながら大船渡産のサンマを並べ、火起こしや焼き加減、身を返す見極めを学んだ。
 佐藤さんは「炭から出る遠赤外線で焼く意識を」「焼き上がるまではサンマの皮が網にくっついている状態で、無理にはがすとそこから脂が落ちてしまう」などとアドバイス。
 慎重な手つきの受講生も、色鮮やかな焼き色でサンマを返すことができると笑顔を見せた。さらに試食でおいしさを確認し、自信を深めた。
 長野県佐久市から参加した仲野浩司さん(50)友江さん(46)夫妻は「昨年、知人から認定証を見せてもらってから、この日を待ち望んでいた。秋は自分たちで焼きたい」と話していた。
 9日は、事前研修や筆記試験を行う。試験内容は▽市の水揚げ状況▽サンマの水揚げ状況▽焼き方▽客への提供方法──などを予定している。
 合格者には認定証と記念タオルを交付。今後、市や同協会が主催する「さんままつり」などでの参加依頼もあるという。イベントで腕をふるうことで、大船渡産サンマのPRや地域活性化への貢献が期待される。