今季収量257㌧目指す ブランド米たかたのゆめ 地元消費拡大と販路構築へ
令和5年7月11日付 7面

陸前高田市の地域ブランド米「たかたのゆめ」生産者らでつくるブランド化研究会(佐藤信一会長)は今季、収量約257㌧を目標に掲げている。6月末に開かれた同会の通常総会で示された。本年度は新型コロナウイルス感染症対策の緩和を踏まえ、市内での消費拡大と安定した販路の構築を目指す。(高橋 信)
総会では令和4年度の事業報告、収支決算、5年度の事業計画、収支予算など3議案を審議し、いずれも原案通り承認、決定。任期満了に伴う役員改選が行われ、佐藤会長を再選した。
今季は5月ごろから市内各地で田植えが行われ、生産者は28農家(法人含む)で、前年比4農家減。減少の理由は牧草への切り替えやほ場整備事業で営農組合に集約されたため。これに伴い、作付面積は同3・5㌶減の55㌶となった。
収量は前年比4・6㌧減の256・9㌧で、反収(10㌃当たり収量)は467㌔を見込む。
ブランド化研究会は本年度、▽生産体制整備事業▽商品開発事業▽PR普及事業▽地元消費の拡大に向けた取り組み──の四つを柱に展開する。
生産体制整備事業では実証水田の整備、調査・研究、土壌分析などを実施。商品開発事業は市内外の事業者と連携しながら推進する。PR普及事業では、イベントを通じた市内での認知度向上に加え、飲食店での利用促進策を検討・実施していく。
たかたのゆめは、JT(日本たばこ産業㈱)植物イノベーションセンターに保存されていた種もみ「いわた13号」から誕生。「ひとめぼれ」と「いわた3号」をかけ合わせた東北向け品種で、同社が陸前高田市に種もみを無償提供し、平成25年から販売用の生産が始まった。
市は令和3年度、市内小中学生に親しんでもらおうと、学校給食の米飯を全量たかたのゆめに切り替えた。市が友好協定「高田フロンターレスマイルシップ」を結ぶサッカーJ1・川崎フロンターレ選手食堂でも使われている。
新役員は次の通り。任期は令和6年度末までの2年間。
▽会長=佐藤信一▽副会長=臼井剛
▽幹事=熊谷正文、金野千尋、戸羽正光、船田秋美津、菊田勝、熊谷重昭
▽監事=白川周一、菅野正明