雇用拡大にも期待込め 市長の産業視察 トマト生産施設を訪問
令和5年7月19日付 1面
大船渡市の渕上清市長による産業視察は18日、トマトの生産・出荷を展開する末崎町の農業法人・㈱いわて銀河農園(橋本幸之輔代表取締役)で行われた。東日本大震災で被災した土地を生かし、地元雇用などを重視しながら生産に当たる現状を確認。さらなる規模拡大に加え、Iターン・Uターンの受け皿としても期待を込めた。
産業視察は4月のワカメ養殖現場以来2回目。橋本代表取締役の案内を受けながら通年型生産の大規模園芸施設(栽培面積1・5㌶)を回ったほか、全国的な位置づけや今後の事業展開に関する説明も受けた。
栽培エリアなどでは高所での収穫作業時の負担軽減策や、水耕栽培で養分の廃液をリサイクル活用している環境面の配慮などを確認。幅広い年代の従業員が業務に当たる現状にも理解を深めた。
説明の中で橋本代表取締役は、事業進出のポイントとして夏場に冷涼で冬場は温暖な沿岸地域の気候を強調。「〝夏越え〟産地が非常に有利であり、マーケットから強い期待がある」などと語った。
さらに復興計画で平たんな土地確保が可能となった点や、震災復興への思いも言及。「農業を地域にとって価値ある産業にする」「産業・雇用モデルをつくることが可能であり、地域に人を呼び戻す」と述べた。さらに、栽培や労務、受発注の各システムを紹介し、ITを生かしたきめ細やかな管理体制、毎日2~3㌧程度出荷していることに触れた。
地元を中心に45~50人を雇用している現状も明かし「長く営農する思いでやっている。地元の若者たちは、将来帰ってくる場所が少ないことも聞いており、受け皿になりたい」とも発言。事業拡大による雇用の充実や、年齢・性別・国籍を問わない人材確保の重要性も掲げた。
渕上市長は「システムもさることながら、社員を大切にしながら取り組んでいる体制が素晴らしい。働きやすさは聞いていたが、その通りだと感じた。人がとどまるためには、やはり働く場所の確保が一番」「復興事業として、目に見える成果が出ており、市も応援していきたい」などと話していた。
産業視察では今後も、不定期で各現場に足を運ぶ方針。対話や現場確認を重視しながら、課題把握や施策展開につなげる。






