交付件数・助成額が増加 市住宅リフォーム助成事業 市内業者施工や地域消費後押し
令和5年7月20日付 1面

大船渡市が令和元年度に創設した住宅リフォーム助成事業は、4年度に過去最高の交付件数・助成額となり、本年度はさらに上回るペースで推移している。市内施工業者によるリフォーム工事費用の一部を助成し、相当額の大船渡地域商品券を交付。市は制度普及とともに、地元受注の誘発や地域経済活性化にも手ごたえを示す。本年度の申請期限は12月28日(木)で、来年2月末までの工事終了を求めるが、予算上限に到達次第終了の可能性もあるといい、早めの申請を呼びかけている。(佐藤 壮)
住宅リフォーム助成事業は、市民の居住環境向上に加え、市内の住宅関連産業や商業を中心とした地域経済の活性化を図るため、市内の施工業者による住宅のリフォーム工事を行う場合に費用の一部を助成。助成相当額の大船渡地域商品券を交付する。
対象者は、市内で築5年以上経過した専用住宅や住宅部分が2分の1以上の併用住宅を所有し、居住またはその予定がある人。修繕等によって機能を維持するための機能維持工事と、バリアフリー化し機能を向上させるための機能向上工事に助成する。
助成額は、機能維持工事が対象工事費の10分の1以内で上限額は5万円、機能向上工事は対象工事費の10分の2以内で上限額は10万円。両工事を行う際の上限額は10万円となる。空き家バンクを利用して契約が成立した住宅をリフォームした場合は、現金で15万円を加算する。
事業実績をみると、交付実績は元~3年度は20件台で推移していたが、4年度は過去最高の35件に増加。本年度も3カ月間で13件に達し、昨年を上回るペースとなっている。
助成額は4年度に初めて190万円を超え、5年度はすでに93万円に達した。元年度からの全体工事費累計額は3億7355万円となった。
リフォーム内容は、床の張り替えや屋根の葺き替え、外壁の再塗装など多様で、これらの組み合わせも見られる。築40~50年の建物だけでなく、東日本大震災以降に完成した建物の申請も出始めているという。
これまでの実績について、市は「当初の目的である市民の居住環境向上、住宅関連産業の仕事の誘発、地域商品券による市内経済の活性化などに貢献できた。交付実績の増加は、市民や地元工務店の中で、制度理解が広がったことが考えられる」と総括する。
近年、国が進める「2050年カーボンニュートラル実現」に向け、環境に配慮した施策の重要性が高まっている。既存住宅も含め、省エネ基準を意識した住宅の広がりが求められる中、市は「環境対策にも配慮した事業を実施できないか検討したい」としている。
現在も申請を受け付けているが、予算がなくなり次第、受け付けを終了する。交付申請書への記入とともに▽リフォーム費用の明細書▽建物の位置図▽リフォームの設計図書か施工箇所の見取図▽現況写真——に加え、住宅の建築年月や市税滞納がないこと、住宅の所有者、市内施工業者であることが分かる書類の準備が必要となる。
市住宅管理課(市役所3階)に申請する。問い合わせも同課(℡27・3111内線322)へ。