2度目の全国2位に輝く 平田さん(越喜来)が林野庁長官賞 全農乾椎茸品評会こうしん中葉厚肉の部で
令和5年8月5日付 2面

全国農業協同組合連合会(全農)が主催する第56回「全農乾椎茸品評会」の結果がこのほど発表され、大船渡市三陸町越喜来の平田聡一郎さん(65)が「こうしん中葉厚肉の部」で全国2位相当の林野庁長官賞を受賞した。令和3年の第54回以来、2度目の受賞となり、平田さんは「これからも良質な乾シイタケを作っていきたい」と誓いを新たにしている。(三浦佳恵)
同品評会は、国産原木乾シイタケの生産拡大と生産農林家の経営安定を目的に毎年開催。こうしん中葉厚肉のほか、同大葉厚肉、同大葉中肉、同中葉中肉、花どんこ、上どんこの6部門があり、部門ごとに乾シイタケの形状や色沢、厚さなどを審査し、最高賞の農林水産大臣賞など各賞を決める。
第56回品評会には、6部門を合わせて17県から538点の出品があった。
平田さんは、妻・睦子さん(62)の勧めもあって平成29年、ハウス栽培による乾シイタケの生産を始めた。現在は、乾シイタケ用品種「菌興115号」を植えたコナラのほだ木約6000本でシイタケを栽培し、毎年1~3月ごろに収穫。専用機械で乾燥させて出荷している。
夫婦で栽培技術を磨く中、2年前の第54回品評会・同大葉厚肉の部に初めて出品。これが高い評価を受けて林野庁長官賞に輝き、その後も良質な乾シイタケを目指して生産を続けてきた。
今回は、形成菌2年と3年のほだ木を主体にした2000本をハウス内で栽培。収穫期となる今年1月から3月にかけては、前半が寒く、後半は温度が高くなったために管理に苦労したという。それでも、適宜な散水を繰り返すことでシイタケの成長促進に努め、一番重要とする最適なタイミングでの収穫を心がけた。
その結果、小ぶりながらも質の良い乾シイタケに仕上がり、2年ぶりに品評会への参加を決意。大船渡市農協や日本きのこセンターからも〝お墨付き〟を得て、中葉厚肉規格にそろえて出品した。
審査の結果、2度目となる林野庁長官賞を獲得。平田さんは「いろんなところから出品されている中から評価をされ、賞に選ばれてうれしい。やりがいを感じる」と喜ぶ。
睦子さんは「今回も受賞するとは驚きだった。長年にわたって乾シイタケを手がけている方々もいる中で、『まさか』という思いだった」と話す。
乾シイタケの生産を始めて6年。平田さんと睦子さんは受賞を受け、「今後もなるべくいい品質のものを作っていきたい」と力を込める。