中心街飾る大群舞 三陸・大船渡夏まつり道中踊り 悲願の県道開催盛況

▲ 県道丸森権現堂線で繰り広げられた市民道中踊り

 大船渡市の「三陸・大船渡夏まつり」は2日目の5日、大船渡町の茶屋前岸壁付近でメイン行事が繰り広げられた。市民道中踊りは今年、悲願だった県道丸森権現堂線で繰り広げられ、20団体超の約800人が舞を披露。踊り手や沿道に詰めかけた市民らは、中心部の活気を目に焼き付けるとともに、猛暑の中での多彩なまつりイベントを楽しんだ。(佐藤 壮、8面に関連記事)

 

 「海の祭典」とも呼ばれ、大船渡の夏を代表する一大イベントとして親しまれている同まつりは、市内の行政や事業所、各種団体の関係者らで構成する実行委員会(齊藤俊明委員長)が主催。東日本大震災が発生した平成23年は中止したが、24年には再開し、国内外からの支援に対する感謝と、復旧・復興の歩みを発信してきた。
 令和元年に大船渡駅周辺地区の土地区画整理事業基盤整備工事が完了。同年と昨年は防潮堤沿いの茶屋前臨港道路で市民道中踊りなどが行われたが「商店街により近く、にぎわいのある場所で行いたい」といった要望が寄せられ、実行委では関係機関と調整を重ねてきた。
 県道のうち、キャッセン大船渡沿いの約300㍍が道中踊りの舞台となった。県道のみで行うのは、震災前年の平成22年以来。保育園や企業に加え、震災以降思いを寄せるボランティア団体、当日参加も受け付けた市民有志のグループなど、幅広い面々が並んだ。
 『気仙甚句囃子』『おおふなと椿音頭』の2曲に合わせ、まつりに華やぎをもたらす浴衣姿の群舞と、生演奏が繰り広げられた。参加者は笑顔を交わしながら、県道開催の喜びを分かち合った。
 道中踊りに先立ち、キャッセン大船渡の各モールや茶屋前岸壁でオープニングパレードを開催。チンドン寺町一座や、大船渡つばき娘が参加し、祭りムードを盛り上げた。
 同岸壁に接岸した海上七夕船「大船渡丸」の特設ステージでの開催式に続き、防潮堤を彩る「不思議アート」の関連セレモニーも開催。初日に続き、大船渡丸では、演歌歌手によるステージが繰り広げられた。
 キャッセンエリアや、おおふなと夢商店街の関連イベントも、幅広い世代の住民らが来場し、にぎわいが生まれた。臨港道路では、夜の訪れとともに、竹明かりやかがり火の点灯が行われ、幻想的な雰囲気に。海上七夕船の湾内巡航との競演で魅せる花火大会も繰り広げられた。