観測史上最も暑い7月に 気仙地方の気象データ 平均、最高ともに歴代更新
令和5年8月10日付 6面

盛岡地方気象台は、7月の気象データ(速報値)をまとめた。同月の気仙地方は、大船渡と住田で同月の月平均気温と日最高気温の高い方から1位の記録をそれぞれ更新するなど、観測史上最も厳しい暑さに見舞われた。大船渡の月平均気温はかなり高め、月降水量は少なめ、月日照時間はかなり多めだった。
同月は、上旬から中旬にかけては前線や低気圧の影響で曇りまたは雨の日が多く、まとまった雨が降る日があった。
下旬は、日本の東にある高気圧に覆われた状態が続き、晴れて暑くなった日が多く、各地で記録的な高温となった。
また、仙台管区気象台は22日、岩手を含む東北北部が梅雨明けしたとみられると発表した。梅雨明けは平年より6日早かった。昨年は時期を特定できなかった。
大船渡の平均気温は、いずれの旬もかなり高めに推移。月を通しても25・1度(平年比3・4度高め)とかなり高くなり、同月として観測史上1位の記録を更新した。また、住田の月平均気温も24・6度(同2・8度高め)と歴代で最も高くなった。
また、大船渡では30日に37・0度(同9・7度高め)、31日に35・6度(同8・2度高め)、29日に35・5度(同8・3度高め)を観測。それぞれ同月として歴代1位と3位、4位タイの高温となった。
このうち、30日の最高気温は観測史上1位の記録に並んだほか、同日の日最低気温である24・5度(同4・2度高め)は、同月として高い方から4番目と同じ値だった。住田でも29日に36・3度(同7・9度高め)まで気温が上昇し、同月として最も暑い一日となった。
日中の気温が25度を超える「夏日」の日数は、住田が28日、大船渡が27日。最高気温が30度以上の「真夏日」は住田で16日、大船渡で15日あり、35度以上の「猛暑日」も大船渡で5日、住田で4日あった。
大船渡の降水量は、中旬のみ多めとなったものの、上旬と下旬は平年の1割以下とかなり少なく、月を通しても92・0㍉(同104・4㍉少なめ)で少なかった。霧の日はなかった。
日照時間は、上旬と中旬は平年並みだったが、下旬は平年の約2倍とかなり多かった。
そのため、月を通しても194・2時間(同60・3時間多め)とかなり多くなり、同月として歴代5位に並ぶ記録となった。日照を全く観測しない「不照」の日は3日あった。
大船渡の旬別の概況は次の通り。
【上旬】
低気圧や前線の影響で、曇りまたは雨の降った日が多かったが、高気圧に緩やかに覆われて晴れた日もあった。旬平均気温は23・6度(平年比3・0度高め)でかなり高かった。旬降水量は5・5㍉(同57・9㍉少なめ)でかなり少なかった。旬日照時間は43・6時間(同2・4時間多め)で平年並みだった。
【中旬】
前線や低気圧の影響で、雨または曇りの日が多く、まとまった雨が降る日もあった。旬平均気温は24・7度(平年比3・3度高め)でかなり高かった。旬降水量は86・5㍉(同13・3㍉多め)で多かった。旬日照時間は39・0時間(同0・1時間少なめ)で平年並みだった。
【下旬】
日本の東にある高気圧に覆われ、晴れて暑い日が続いた。旬平均気温は26・8度(平年比3・9度高め)でかなり高かった。旬降水量は0・0㍉(同59・8㍉少なめ)でかなり少なかった。旬日照時間は111・6時間(同58・0時間多め)でかなり多かった。