新築工事が本格化 来年3月の完成目指す 滝観洞観光センター受付棟

▲ 新受付棟の完成イメージ図

 住田町上有住の観光地・滝観洞を管理する滝観洞観光センター(住田観光開発㈱運営)の受付棟は、町による新築工事が本格化している。来年3月の完成、4月のオープンを目指し、現在は基礎工事が進められており、関係者は無事な完成と完成後のにぎわい創出へと期待を募らせる。
 滝観洞は日本有数の洞内滝を有する鍾乳洞で、昭和41年に洞窟開きが行われて以来、名物「滝流し蕎麦」や滝観洞観光センターとともに町内有数の観光資源として位置付けられている。
 全長3635㍍、高低差115㍍にも及び、国内屈指の鍾乳洞として知られる滝観洞。観光洞部にはライトアップされた鍾乳石が輝き、ダイナミックな造形の岩肌や地下水などによる神秘的な光景が続く。洞口から約880㍍地点には高さ約60㍍に及ぶドーム型の空間があり、その天井部の裂け目から落差29㍍の「天の岩戸の滝」が注ぐ。
 町では、滝観洞周辺の魅力的な環境づくりを通じて持続的な観光振興を実現することを目的とし、老朽化した関連施設の再整備計画案作成を邑サポートに委託し、令和2年度に計画が策定された。計画ではハード・ソフト両面で段階的に整備を図っていくこととしており、3年度に基本設計・実施設計が行われ、4年度に旧受付棟の解体が完了した。
 新施設には、地場産の木材を積極的に使用する。2階建ての施設の1階には物販スペースや受付カウンターなど、2階には食堂や滝観洞の名物「滝流し蕎麦」の体験スペース、テラスの整備を計画しており、延べ床面積は155・02平方㍍。新築工事は住田住宅産業㈱が担う。契約金額は1億2320万円(税込み)で、工期は来年3月25日までの予定。
 冷涼を感じる観光地として夏場に人気を集める滝観洞。夏場に書き入れ時を迎え、行楽客らでにぎわいを見せる。新型コロナウイルス感染拡大の影響で令和2年度から入洞者が減少していたが、5類移行後はじめての夏となった今年は、7月の入洞者が1200人ほどで、コロナ禍前の令和元年同期を上回っているという。
 住田観光開発の千葉孝文常務は「このまま入り込みが継続し、新施設完成後にはさらに多くの人に来ていただければ」と話している。