暑さしのぐ商品人気 気仙 連日の猛暑で 夏物家電需要増で在庫不足

▲ 売り切れの商品が増え、がらんとしている家電量販店の扇風機コーナー

 二十四節気の「立秋」が過ぎ、暦の上では秋に入った中、うだるような暑さが続いている気仙地方。連日の猛暑で家電店ではエアコンや扇風機など夏物家電の需要が伸び、在庫不足の状況が続いている。菓子店や茶屋などではかき氷やアイスクリームが人気で、暑さを乗り切る商品の動きはまだまだヒートアップ中だ。(高橋 信)

 

 大船渡市立根町の家電量販店「ケーズデンキ大船渡店」(千葉勝美店長)では、今夏の夏物家電の売れ行きが対前年比約40%増となっている。
 同店によると、7月末から今月初旬にかけて買い求める客が急激に増加。同市では7月30日に盛岡地方気象台観測の日中最高気温が37・0度(平年比9・7度高め)となり、平成27年8月5日、平成19年8月15日と並び、昭和38年の観測開始以来最高に達した。需要増は記録的な暑さが要因とみられる。
 扇風機は約20種類を置いていたが、直流(DC)電気で動く省エネタイプを皮切りに続々と売れ切れとなった。現在、店頭に並ぶのは5種類ほど。専用コーナーの陳列棚は空きが目立つ。
 エアコンよりも手軽で、扇風機よりも涼しくなる冷風扇も人気が高く、エアコンの効果をより高めるサーキュレーターもよく売れているという。店舗入り口を入ってすぐのエリアには、手持ちタイプや首にかける扇風機のコーナーを特設しているが、手持ちタイプは完売した。
 千葉店長(58)は「売れ行きが伸びたのはうれしいが、全国的な暑さで希望する商品をお届けしづらい状況が続き複雑な気持ち。エアコンを注文いただいても設置まで時間がかかる。来年以降も見越して計画的にお買い求めいただきたい」と呼びかけている。
 かき氷が人気なのは、大船渡市盛町木町にある「正和堂」。今夏は例年より早めの7月初旬から、かき氷を提供している。
 味は17種類で、シロップはほぼすべて手作り。200~350円の手頃な価格で味を楽しめる。
 同店によると、あまりの猛暑に出歩く人が少ない日もみられるため、売れ行きは例年並みというが、ひとときの涼を求めて人気は続いている。
 店を1人で切り盛りする小嶋ユウ子さん(84)は「遠方からわざわざ買いに来ていただくこともあり、ありがたいこと。あまりにも暑くて無理はできないが、少しでも多くの人にかき氷を届けたい」と話している。