郷土愛再確認 成長誓う 県内トップを切って「二十歳の集い」(別写真あり)

▲ 人生の節目に、気持ちを新たにした20歳到達者たち

 住田町の「二十歳の集い」は12日、県内トップを切って世田米の町役場町民ホールで開かれた。晴れ舞台に臨んだ20歳到達者らは、友人との再会を喜ぶとともに、郷土愛を再確認。人生の大きな節目に大人としての自覚を新たにし、社会の一員としての成長やふるさとへの貢献を誓った。(清水辰彦)

 

 これまで同町では、開催年度内で20歳に到達する町内中学校卒業者や在住者らを対象とした「成人式」を気仙で唯一、お盆の帰省時期に行ってきたが、令和2年度、3年度は新型コロナウイルスの影響で冬季に延期して開催した。
 成人年齢が昨年4月1日の改正民法施行で18歳に引き下げられたことに伴い、3年ぶりの夏開催となった前回から、名称を「二十歳の集い」に変更して実施している。
 今年の対象者は39人で、式典にはこのうち30人と保護者、来賓らが出席。式典の様子は町営ケーブルテレビ・住田テレビやインターネットの動画投稿サイトでも関係者らに向けて生配信した。
 神田謙一町長は式辞で「自立した個人として社会に対して責任を持ち、守られるだけでなく周囲を守る立場となる。自分とは異なる意見を持つ人、社会的に弱い立場に置かれている人々の声に耳を傾け、この困難の多い時代の中でも社会がより良い方向に進むために、自分自身ができることを考え続けてほしい」とそれぞれの活躍に期待を寄せた。
 瀧本正德町議会議長や、世田米中恩師の細川遼太さん=現・黒石野中勤務、有住中恩師の小野寺晋太さん=現・平泉中勤務=も、それぞれ教え子たちの成長を喜びながら祝辞を述べた。
 続いて、20歳到達者を代表して建設業・水野翔磨さん(19)=下有住在住=は「二十歳を迎え、生まれ育った住田町で、青春時代を過ごした仲間ときょうという日を迎えられることを心からうれしく思う」と喜びを語ったうえで、「すでに仕事に従事している人、学業に励んでいる人などさまざまだが、一人一人が自分の行動、言動に責任を持ち、社会の一員として精進していく」と決意し、家族、恩師、地域住民への感謝も示した。
 出席者はりりしい表情で式典に臨み、式後は仲間同士や恩師を囲んでの記念撮影、小学校卒業時のタイムカプセル返還などが行われ、会場内外には晴れやかな笑顔が広がった。
 式典を終え、水野さんは「まだ実感はないが、これから生きていく中で、何事にも責任をもっていかなければなと思う」と話していた。
 県によると、8月に「二十歳のつどい」等を行うのは住田を含む7市町村。大船渡、陸前高田両市など26市町村は来年1月に開催する予定。