「ミスさんさ踊り」に選出 住田町出身の菅野さん 会場魅了、本県PRも担う

▲ ミスさんさ踊りとしてパレードを先導した菅野さん(盛岡さんさ踊り実行委員会提供)

 住田町世田米出身の菅野那菜さん(宇都宮大学4年)が、今年の「ミスさんさ踊り」5人の中の1人に選ばれた。今月1日~4日に盛岡市内で行われた第46回盛岡さんさ踊り(実行委主催)ではパレードを引っ張り、会場を魅了。1年間、本県のPR役を担う菅野さんは「日本中の人にさんさ踊りと岩手を知ってほしい」と意気込む。(清水辰彦)

 

 ミスさんさ踊りは、あでやかな着物姿で華麗な踊りを披露しながら、さんさ踊りパレードを先導するもの。毎年5人、さんさ踊りが大好きな女性が一般公募で選ばれており、さんさ踊りの期間以外でも、岩手や盛岡の宣伝活動で活躍している。
 今年の「ミスさんさ踊り」コンテストには48人の応募があり、1次審査で11人に絞られ、最終審査では候補者がステージ上でさんさ踊りの魅力について語り、活動への意気込みをアピールするなどして、菅野さんを含む5人が選ばれた。
 菅野さんは、「自分の意思で何かをやり遂げた経験があれば自分を好きになれるし、岩手をPRすることで、地元の人がもっと岩手を好きになってほしい」との思いから、迷いに迷った末、勇気を振り絞って応募した。
 「私の中では、ミスさんさは岩手県の女性を代表するようなイメージだったので、受かった時はびっくりした。不安もあったけど、いろんな人から連絡をもらう中で、だんだんと自覚が芽生えてきた」と振り返る。
 以降、練習のために盛岡市内のアパートを2カ月間借りて、平日は毎日2時間ほど練習に励んだ。
 迎えた本番、今年のさんさ踊りは4年ぶりの通常開催となり、太鼓や笛の音色が夏の夜に響き、学校や企業、伝統さんさの集団がパレード。誰でも自由に参加できる「輪踊り」も行われ、4日間で100万人以上の観客が詰めかけた。
 初日のパレード開始前には、「足がすくんだ」という菅野さんだが、ミスさんさ仲間から声をかけられたおかげで、平常心で臨むことができたという。
 連日の練習と例年にない酷暑で疲れもあったが、踊りはじめると観衆一人一人の笑顔が目に入り、「地域に愛されているお祭りなんだなと改めて分かった」と、疲れも忘れて舞った。
 最終日には、応援に駆けつけた家族や中学校時代の同級生たちにも、さんさ踊りの魅力を伝えようと笑顔で踊り、「自分に自信を持つために応募したが、誰かのために踊ったことで、支え合いながら生きていることを実感したし、パレードで見た景色は一生忘れない宝物になった」と目を輝かせた。
 今年のさんさ踊りは終了したが、ミスさんさのメンバーは1年間の任期中、県内外や海外を訪問し、さんさ踊りを通じて盛岡、岩手をPRする。菅野さんは「小さい子たちにも知ってもらえるよう活動を工夫するなど、日本中の人にさんさ踊りを知ってもらえるよう頑張りたい」と力を込める。