9月23日にオープンへ 小友町のオートキャンプ場 県のリニューアル整備経て

▲ 来月23日にリニューアルオープンが決まった陸前高田オートキャンプ場(スノーピーク提供)

 県は、リニューアル整備を進めている陸前高田市小友町の県立陸前高田オートキャンプ場について、「スノーピーク陸前高田キャンプフィールド」の通称で、9月23日(土)にオープンすると発表した。アウトドア総合メーカーの㈱スノーピーク(新潟県三条市)が指定管理者として運営に当たるキャンプ場は、多様なニーズに対応した施設として国内外から注目を集めており、地域経済の活性化などにも期待がかかる。(三浦佳恵)

 

 オートキャンプ場は「モビリア」の名称で、県が平成11年に開設。東日本大震災以降は応急仮設住宅の建設地、復旧・復興事業従事者の宿泊施設として利用され、30年1月に施設の老朽化などを受けて営業を休止した。
 県は令和3年度、再開へ向けた施設整備事業に着手。整備には設計、施工、施設の指定管理予定者を一括で選定する公募型プロポーザルを導入し、審査により、指定管理を担うスノーピークをはじめ、建築設計者に㈲佐藤設計(陸前高田市)、土木設計者に共立設計㈱(同)、建築・土木の施工者に㈱長谷川建設(同)が選ばれた。
 4年度からはリニューアルに向けた工事に入り、スノーピークではサービスの開発・提供に向けて市内事業者との情報交換会も開催。県によると、民間のノウハウを生かし、キャンプ場へのニーズにも対応した施設を整備しており、工事は今月31日(木)に完了するという。
 同キャンプフィールドの敷地面積は、リニューアル前と同じ22・4㌶。大型テントにも対応したフリーサイトやオートサイト、世界的な建築家・隈研吾氏と共同開発したモバイルハウス「住箱」、ケビン、センターハウス、サニタリーハウスなどを整備。犬の同伴も可能なケビンやドッグランサイトも設けている。
 また、地元特産品の販売場所も設置し、地域経済への波及効果も見込む。同キャンプフィールドのホームページ(https://www.snowpeak.co.jp/locations/rikuzen/)では、利用、宿泊プランの紹介や予約などを行っている。
 市観光交流課の熊谷直樹課長補佐は「市としても待ちに待ったリニューアルオープン。非常に魅力的な施設に生まれ変わり、さらなる誘客、観光振興につなげられる。スノーピークは全国的に有名なブランドであり、施設では地場産品のPRにつながるような取り組みも考えているとうかがっている。市としても関係機関と連携し、施設をアピールしていきたい」と期待を寄せる。
 県商工労働観光部観光・プロモーション室国内観光担当課の木登恵一課長は「県としても、集客や収益性を高めたいとスノーピークに指定管理をお願いした。国内外からの集客、キャンプ場を核とした地域経済の活性化、アドベンチャーツーリズムの拠点としての発展に期待したい」と話している。