2023県議選大船渡・陸前高田選挙区/2議席に現新3人立候補 9日間の舌戦に突入 新区割りで気仙全域の攻防へ

 任期満了に伴う県議選は25日、告示された。気仙3市町で定数2を争う大船渡・陸前高田選挙区には、届け出順に、前陸前高田市議の新人・畠山恵美子氏(52)=陸前高田市横田町、自民党県連推薦=と、現職・千葉盛氏(40)=大船渡選挙区・1期、大船渡市猪川町、同・佐々木茂光氏(65)=陸前高田選挙区・3期、陸前高田市気仙町、自民党県連公認=が立候補。新区割り下での議席獲得へ、気仙全域を舞台とした攻防が始まった。(2、7面に関連記事)

 

投開票は来月3日


 気仙での立候補届け出受け付けは、大船渡市猪川町の県大船渡地区合同庁舎で午前8時30分にスタート。佐々木、千葉、畠山各氏の代理人が手続きに臨み、届け出順を決める抽選では、緊張感がただよった。
 書類審査に続き、街頭演説用標旗、腕章など選挙の〝七つ道具〟と、明るい選挙のシンボル「白バラ」を交付。各氏の選挙事務所などに届いたあと、それぞれ第一声が響き渡った。
 7月下旬以降、記録的な猛暑が続き、この日も朝方から太陽が照りつけ、残暑厳しい一日に。屋外での第一声では、陣営によっては熱中症対策として日差しをさえぎるテントを用意した。選挙カーでの遊説を前に、スタッフがこまめな水分補給などを確認し合う光景も見られた。
 各陣営は初日から、熱気あふれる声で訴えをこだまさせながらアピール。復興事業で整備された市街地や水産業が盛んな沿岸部、稲が黄色く染まり始めた田園が広がる内陸部などで選挙カーを走らせ、支持拡大を図った。また、ポスター掲示板は3市町合わせて約440カ所に及び、支援者が手分けをして張り出し作業にあたった。
 県議選は、9月10日(日)の任期満了に伴うもの。県内14選挙区で定数48を争う。令和元年の前回、16選挙区で行われたが、今回は区割り改定で14選挙区となった。
 気仙はともに定数1だった大船渡選挙区(大船渡市)と陸前高田選挙区(陸前高田市・住田町)が改定となり、気仙3市町を一つの選挙区として、2議席をかけて争う。大船渡市は前回選に続いて、陸前高田市と住田町は、平成23年以来の競争選となる。
 今選挙戦は早くから三つどもえの構図は固まっていたが、合区後初の選挙とあって、集票は読みにくいまま推移。現新一騎打ちの舌戦が繰り広げられている知事選との連動、各政党支持の反映、地域別の知名度、復興施策や人口減少対策の訴え、物価高騰への対応姿勢など注目点は多い。
 選挙区が広がった一方、新型コロナウイルスの影響はまだ残り、各陣営は限られた動員力の中で有権者の心をつかむ方策を模索。今後の選挙期間中も残暑が予想される中、各候補は有権者に向き合い、地域に飛び込みながら支持を訴える。
 期日前投票は26日から、大船渡市役所本庁と陸前高田市役所、住田町役場で受け付ける。大船渡市では28日(月)から、三陸支所、綾里・吉浜各地域振興出張所でも対応。いずれも9月2日(土)まで。
 投票時間は午前8時30分からで、市役所と町役場は午後8時、支所・出張所は同5時15分まで受け付ける。
 県議選の投票日は知事選、陸前高田市議選と同じ同3日(日)で、各地の投票所で実施。気仙両市は午後7時まで、住田町は同6時まで。
 今月24日現在の選挙人名簿登録者数(有権者数)は、大船渡市が2万9021人(男1万3829人、女1万5192人)、陸前高田市が1万5716人(男7572人、女8144人)、住田町が4313人(男2120人、女2193人)。3市町計では4万9050人(男2万3521人、女2万5529人)。