日本一早く大盤振る舞い 蛸ノ浦で「初さんま祭」 多彩な海の幸、芸能披露で活気(別写真あり)
令和5年8月28日付 7面

「第11回大船渡市初さんまうにアワビ帆立かきホヤわかめ祭」(未来蛸ノ浦実行委員会主催)は27日、同市赤崎町の下蛸ノ浦漁港広場で開かれ、県内外から多くの人が来場した。前日に初水揚げされたサンマを炭火焼きで無料提供したほか、豊富な海産品を販売。浜の幸にあふれる中、多彩な芸能披露も繰り広げられ、活気が広がった。(佐藤 壮)

家族連れで一緒に味わう姿が目立った
同実行委は、地元の鎌田水産㈱や赤崎町内有志で構成。海の幸をPRし、復興支援への感謝を発信しようと、平成25年から開催し、「日本一早いサンマ祭り」として定着している。
新鮮な海の幸を求め、同日は日の出前から開幕を待つ姿が見られたという。各地で長蛇の列が生まれ、漁港広場につながる蛸ノ浦や清水地域の県道も車の列が続いた。
会場では午前8時ごろから前田こども鹿踊りや永浜鹿踊り、チンドン寺町一座が登場し、迫力あふれる舞や、にぎやかな演奏で景気づけた。開会式では実行委の鎌田和昭会長が「おいしい初サンマを食べて『これで長生きできる』と感じてほしい」とあいさつし、来賓の渕上清市長や鈴木俊一財務大臣らによる祝辞、もちまきなどが行われた。
サンマは、26日に本州トップを切って市魚市場に水揚げされた初物を使用。岸壁には公海で漁獲した「第十五 三笠丸」が接岸する中、無料提供の炭火焼きは8000匹を用意した。
焼き台20台を並べ、市観光物産協会が認定している「さんま焼き師」や大船渡青年会議所メンバーを配置。大船渡産のおいしさを堪能してもらおうと、炭火の熱さに負けずに立ち続け、火加減を丁寧に見極めた。
さらに、初水揚げのサンマは、3~5匹入り1箱を1000円で販売。内陸部や県外からも人々が詰めかけ、活気が広がった。
連日暑さが続く一方、この日は雲が広がる中で浜風が吹き、比較的過ごしやすい一日となった。来場者はサンマだけでなく、カキやホタテの炭火焼きや各飲食出店業者の品々を味わい、多彩な食を堪能。ワカメやホヤ、ウニなど水産加工品の購入を目的に訪れ、多くの品々を積んでカートを引く光景も目立った。
北上市から家族で訪れた齊藤伸英さん(40)は「海産物を食べてイベントを楽しみたかったのと、子どもに大船渡の夢海公園などで遊ばせたかったので来た。親も楽しめている」と笑顔。炭火焼きサンマを食べた娘の朱音ちゃん(3)は「とってもおいしかった」と満足そうな表情を見せた。
特設ステージでは、地元内外を拠点とする歌手や舞踊団体が次々と出演。大船渡湾内を船で巡る遊覧企画も好評を博した。