2023県議選大船渡・陸前高田選挙区/現職の千葉、佐々木両氏当選 新人・畠山氏、健闘も一歩及ばず  投票率は67・75%

 任期満了に伴う県議選(定数48)は3日、投開票が行われた。現新計3人による激戦が繰り広げられた大船渡・陸前高田選挙区(定数2)は、無所属の現職・千葉盛氏(40)=大船渡市猪川町=が抜け出して再選を果たし、自民党の現職・佐々木茂光氏(65)=陸前高田市気仙町=は苦しみながらも逃げ切り、4選を飾った。初当選を狙った無所属の新人・畠山恵美子氏(52)=同市横田町、自民党県連推薦=は、佐々木氏に一歩及ばず、涙をのんだ。気仙3市町全体の投票率は67・75%だった。
 県議選は、10日(日)の任期満了に伴うもの。令和元年の前回選は16選挙区だったが、区割りの改定で今回から14選挙区となった。計65人が立候補し、宮古、遠野を除く12選挙区で競争選となった。
 気仙はともに定数1だった大船渡選挙区(大船渡市)と陸前高田選挙区(陸前高田市・住田町)が改定となり、気仙3市町が一つの選挙区に。2議席をかけた初の争いは、三つどもえの少数激戦となった。

支持者とともに再選を喜ぶ千葉氏

 先月25日の告示以降、各候補の選車が気仙3市町を回り、懸命に支持を訴えた。選挙区が広がり、有権者も増えた中でも、各陣営は全域での浸透を目指して、積極的に運動を展開した。
 投票は気仙3市町計80カ所で行われ、開票は大船渡市がリアスホール、陸前高田市は夢アリーナたかた、住田町は町社会体育館で実施。住田町が午後8時49分に、大船渡市が9時57分に、最後に陸前高田市が同10時15分に確定し、2議席の顔ぶれが決まった。
 千葉氏は初当選を飾った令和元年以降、コロナ禍の影響を受けながらも、各戸折り込み配布などによる県政報告を通じて実績を伝え、後援会(鈴木敏彦会長)による活動は今夏に入り本格化。地域回りでの住民対話を重視しながら、支持固めを進めた。大船渡市内での強さが際立ち、世代や政党支持を問わず幅広く浸透した。

4選を決め笑顔を見せる佐々木氏

 佐々木氏は初当選を飾った平成23年以来、12年ぶりの競争選となった。自身が支部長を務める同党陸前高田市支部の申請で、同党県連の公認を得た。実績のある同市内は、知名度や後援会(岡本紘一会長)のネットワークで手堅く票をまとめ、市議選候補とも連動しながら底力を見せた。大船渡市と住田町で伸び悩んだが、逃げ切った。
 畠山氏は2月に出馬表明。陸前高田市議時代から支える後援会(長谷川節子会長)が知名度向上を進め、住田町でも地道な地域回りを展開。大船渡市では、自民党県連推薦を上申した同党大船渡支部のつながりを生かした。住田町で抜け出し、気仙両市でも健闘を見せたが、現職の知名度と組織力を崩しきれず、涙をのんだ。
 新任期は、11日(月)から4年間。千葉、佐々木両氏に対する当選証書付与は、6日(水)午前10時30分から、大船渡市猪川町の県大船渡地区合同庁舎で行われる。
 【千葉盛氏の略歴】昭和57年12月4日、大船渡市猪川町生まれ。東北学院大卒。国会議員秘書、市議2期を経て、令和元年の県議選に初当選(1期)。農林水産委員会副委員長などを務める。猪川町字藤沢口58の8。40歳。
 【佐々木茂光氏の略歴】昭和32年10月21日、陸前高田市気仙町生まれ。日本大卒。建設会社勤務、市議3期などを経て、平成23年の県議選に初当選(3期)。監査委員などを務める。気仙町字双六50の11。65歳。