米友好都市へ思い届け 佐々木市長がビデオメッセージ 現地の森林火災を受け デルノーテ郡とクレセントシティ市に

▲ 現地の人を励まそうと制作された佐々木市長のビデオメッセージの映像(陸前高田市提供)

 8月に米国カリフォルニア州デルノーテ郡で大規模な森林火災が発生したことを受け、郡内のクレセントシティ市と姉妹都市協定を結ぶ陸前高田市の佐々木拓市長は、現地にお見舞いのビデオメッセージを送った。「私たち陸前高田市民の心はいつも皆さんとともにある」と励ましている。(高橋 信)

 

 市によると、火災は8月中旬に発生。死者・けが人はないが、避難生活を余儀なくされている地域があるという。
 市は同月末、佐々木市長によるビデオメッセージを制作。収録時間は2分37秒。「陸前高田市役所、市民一同、大変皆さんのことを心配している」「クレセントシティ市内でも煙の問題などがあり、大変苦労していると思う」などとすべて英語で伝えた。
 また「我々も災害を経験したものとして、皆さんの状況に思いをはせ、胸を痛めており、何かできることはないか考えている」と連帯を強調。「一刻も早い状況の改善と健康を祈っている」と締めくくった。ビデオメッセージはクレセントシティ市のブレーク・インスコア前市長を通じ、デルノーテ郡や同市の住民宛てとして送った。
 両市は、東日本大震災の津波で流された高田高の実習船「かもめ」を縁にしてつながった。かもめは発災から約2年後の平成25年4月、太平洋を渡って米西海岸のクレセントシティに漂着し、地元のデルノーテ高生らの尽力で高田高に返還された。
 これを機に、双方の高校生が訪問し合うなど交流が始まった。両校は29年に国際姉妹校となり、30年には両市が姉妹都市協定を締結した。
 今年はかもめの漂着10周年の節目に当たり、6月にはクレセントシティ市の訪問団が4年ぶりに陸前高田市を訪問。5日間の滞在中、市内で記念式典や交流イベント、研修などが行われ、両市の関係者が末永い友好を誓い合った。