華やかに地域彩る 5年ぶりに五葉山神社大祭(別写真あり) 

▲ 各祭り組の手踊りや芸能が地域を彩った

 住田町上有住に鎮座する五葉山神社(佐々木嘉子宮司)の大祭は10日、里宮がある八日町地内で挙行された。神輿渡御行列をはじめ、上有住の各地域住民らが練習を重ねてきた郷土芸能や手踊りが次々と繰り広げられ、古き良きたたずまいの八日町通りを華やかに彩った。
 五葉山神社の奥宮は霊峰・五葉山の山頂にあり、大同2(807)年に征夷大将軍・坂上田村麻呂が代々の国主と国家の安泰、武運長久の祈願所として建立したと伝わる。明治5(1872)年に村社となった。
 五穀豊穣に感謝し、家内安全などを祈願する大祭は4年に1度執り行われ、気仙に秋祭りシーズン到来を告げてきた。本来であれば昨年の開催予定だったが新型コロナウイルスの影響で延期したため、5年ぶりの実施となった。
 この日はすっきりとした青空が広がり、暦の上では秋ながらも盛夏のような日差しが照りつけた。好天の下での神輿渡御行列では、五葉山神社と八幡神社の各神輿のほか、五葉山神社大権現(五葉)、八幡神社大権現(八日町)、五葉山神社里宮大権現(天嶽)が連なり、蔵や木造のおもむきある建物が並び、かつて宿場町として栄えた面影を残す八日町通りを練り歩いた。
 前回までは通りを目いっぱい使っての芸能披露も行われてきたが、人口減少などに伴い、今年は1カ所で順番に披露していく形で実施。権現舞や太神楽、手踊り、大黒舞、花取り踊り、念仏剣舞など、上有住地区内各地域ごとの芸能が披露された。
 各祭り組には地域住民に加え、ふるさとを離れて暮らす上有住出身者らの姿もあった。大祭には総勢約600人が参加し、活気を呼び込んだ。
 五葉山神社の紺野敏総代長(64)は「人も減ってきているが、たくさん集まってもらい挙行できたことに感謝している。これからさらに人口が減少する中でどういう形で将来に祭を残していくかが課題だが、末永く伝えていきたい」と話していた。