東京と大船渡つなぐ竹灯り 末崎の中森熊野神社へ〝里帰り〟 10月「囲碁まつり」まで連夜ともす(別写真あり)
令和5年9月14日付 7面

大船渡市末崎町字中森に鎮座する熊野神社(志田隆人宮司)で12日夜から、「鎮魂と希望の竹灯り」の点灯が始まった。同神社も基点の一つとした「囲碁のまちづくり」に取り組む市内外の有志が、関東大震災100年の節目に東京都内であった防災イベントでも飾ったもので、10月14日(土)~16日(月)に同神社も会場として市内で開かれる「第8回碁石海岸で囲碁まつり」までの間、連夜明かりをともす。(千葉雅弘)
この竹灯りは、8月20日から今月10日にかけて東京都墨田区の都慰霊堂などで開かれた「第11回首都防災ウィーク」(同実行委主催)で飾られたものの一部。
大船渡の復興と振興をと平成26年に始まった「碁石海岸で囲碁まつり」実行委員会代表の木谷正道さん(75)=神奈川県平塚市=らが、防災ウィークに実行委として関わっていることから、碁石地区復興まちづくり協議会などが素材提供に協力。二つの震災の鎮魂と教訓伝承の願いをリレーしながらの〝里帰り〟となり、高さ3~5㍍の3本を組み合わせた大型灯り19基と、高さ数十㌢の灯ろう約400個が届いた。
点灯式には囲碁まつり実行委の関係者ら10人ほどが集まり、LEDイルミネーションライトをあしらった大型灯りの電源を入れた。赤、青、黄と色を変えながら光りを放ち、地面に並べた灯ろうにはろうそくがともされ、石造りの碁盤を置いて「囲碁神社」としての発信も図る境内は、幻想的な雰囲気に包まれた。
木谷さんは「初めて大船渡に来てから丸9年。一時的な復興支援にとどまらない大船渡の持続的な振興に向けて、いろいろな人の動きや気持ちがつながり始めたことを実感している」と感慨深げに話した。
碁石地区復興まちづくり協議会長の大和田東江さん(82)は「こんなに素晴らしい竹灯りになって戻ってきた。地元での点灯を迎えられてうれしく思う」と見つめた。大和田さんら竹の切り出し協力者には、首都防災ウィーク実行委代表の中林一樹・東京都立大名誉教授名の感謝状が、木谷さんから伝達された。
竹灯りは囲碁まつりまでの間、午後6時~10時に点灯する。囲碁まつりでは、14日にリアスホールで開会式や記念フォーラム、同神社で音楽祭と海鮮バーベキュー、15日におおふなぽーとで囲碁大会などを予定している。