移住定住助成金利用の転入者 15日時点で38人と好調 支援拡充が奏功 過去年平均をすでに上回る
令和5年9月16日付 1面
陸前高田市が新築、中古住宅を購入するなどした同市への移住者を支援する「移住定住助成金」の交付件数は15日時点で、14件1608万円となっている。本年度から子育て世帯であれば100万円を上乗せして最大200万円を支給する仕組みに支援を拡充。利用した転入者は同日時点で38人と、これまでの年間平均をすでに上回っており、市は転入増へ制度の周知に力を入れる。(高橋 信)
市によると、交付を受けたのは県外5件、県内9件。県外の居住地は埼玉県2件、東京都、京都府、宮城県各1件だった。
上乗せ補助の対象となった子育て世帯への交付は5件。居住地の内訳は大船渡市3件、盛岡市、京都府各1件となった。
助成金の対象は、市内に転入した日を基準日に、転入前1年以内、または転入後3年以内に住宅を取得した人。住宅の建築・購入費、あるいは購入した空き家など中古住宅の改修費に対して最大100万円を支給している。
Uターン者の場合30万円が上限。本年度からは、18歳未満の子どもがいる世帯の場合、一律100万円を追加支給することとした。
同制度は、平成27年度に創設された。初年度から昨年度までの交付件数は102件で、転入者は計247人。年別の最多は、令和2年度の26件55人だった。昨年度は21件54人で、支給額は計1420万円となった。
また市は本年度、同制度の対象外となる人向けに「若者定住助成金」を新設した。移住定住助成金は住宅取得の時期が条件に盛り込まれており、期間外の場合、移住者でも申請できないことから、支援網から漏らさないよう打ち出した。
対象は39歳以下の市民のうち、新たに住宅を取得した人。U・Iターン者だけでなく、もともと陸前高田市に住んでいる人も含む。対象経費は移住定住助成金と同様、住宅の建築・購入費、購入した中古住宅の改修費としている。
支給額は最大50万円。18歳未満の子どもがいる子育て世帯の場合、1世帯当たり50万円を加算する。
U・Iターン促進に向け、市がハード面の対策に力を入れる一方で、市から移住定住総合支援業務を受託しているNPO法人高田暮舎は、ソフト面の取り組みを展開。同法人は16~18日、市内で移住体験プログラム「お試し高田暮らし」を実施し、同市への移住を検討している7人が参加する。
市観光交流課の担当者は「支援を拡充したことで、移住を考えている子育て世帯からの相談が増えている。今後も積極的にPRしていきたい」と話す。